展示

過去の展覧会の紹介

この展覧会はすでに終了しています。会期は前年度以前の日付です。

世界遺産 ヴェネツィア展 魅惑の芸術・千年の都

ヴェネツィア展

ヨーゼフ・ハインツ・イル・ジョーヴァネ

ヨーゼフ・ハインツ・イル・ジョーヴァネ
《ヴェネツィアの眺望》
1648-50年頃
カンヴァス、油彩
171.0×269.0cm
コッレール美術館蔵
© ヴェネツィア市立美術館群財団

会期:平成23年(2011)12月22日(木)~平成24年(2012)3月4日(日)
開館時間:午前9時30分~午後5時(展示室への入室は午後4時30分まで)
休 館 日:12/26(月)・12/29(木)~1/3(火)、
        1/10(火)・1/16(月)・1/23(月)・1/24(火)・1/30(月)、
        2/6(月)・2/13(月)・2/20(月)・2/27(月)・2/28(火)

観覧料

当日 前売 団体(20名以上)
一般 1300円 1100円 1100円
高大生 900円 700円 700円
小中生 500円 300円 300円
一般ペア 2000円

※前売券の発売は開催前日の12月21日までです。

※一般前売のみ2000円のペアチケットを販売。1名2回、または2名1回入場可

・名古屋市交通局発行の乗車券のうち「一日乗車券」「ドニチエコきっぷ」を利用してご来館の方は、当日料金より100円割引(他の割引との併用はできません)。
・身体等に障がいのある方は手帳の提示により、本人と介護者2名まで当日料金の半額になります。
・「ヴェネツィア展」観覧券で2階常設展もご覧いただけます。

■前売券(12月21日まで発売)は主要プレイガイド、中日新聞販売店、チケットぴあ(Pコード764-882)および提携コンビニなどでお求めいただけます。
*店舗により、発券手数料の必要な販売所があります。事前にご確認下さい。

お問い合せ先
名古屋市博物館 TEL.052(853)2655 FAX.052(853)3636
こちらの▼公式ホームページもご覧ください   http://www.go-venezia.com/(閉鎖)

世界遺産「ヴェネツィア」、まるごと日本上陸

大運河カナル・グランデとサンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会

大運河カナル・グランデとサンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会
© APT Venezia

水の都・ヴェネツィア。アドリア海に面したこの街は6世紀頃に誕生し、東西を結ぶ海洋国家として栄えてきました。
 強大な海軍力と交易がもたらす富によって栄華を誇ったヴェネツィアは、16世紀ルネサンス期に成熟期を迎え、絵画・建築・彫刻・音楽・演劇などの文化が花開きました。その遺産は現在も街のあちこちに残されています。
 この展覧会にはヴェネツィア市立美術館群等の協力により、日本初公開資料を多数含む約140件に及ぶ貴重な文化財が集まります。
 航海に用いられた道具・貴族の服飾品・絵画などの展示資料を通じて、冒険に満ちた交易活動・華やかな貴族の生活・黄金期の芸術など、さまざまな側面からヴェネツィアの栄光に満ちた歴史をご紹介します。この冬、世界遺産・ヴェネツィアの魅力をたっぷりとご堪能ください。

ヴェネツィア展の構成と見どころ

第1章 黄金期

ヴェネツィアの独自性は、その立地環境にあります。陸地ではなく、水上に生まれたこの都市では、ラグーナ(潟)の泥の中に木の杭により基礎を築き、こつこつと石を積み重ね、現在も見ることのできる教会や大きな建築物を残していきました。  

常に水に囲まれるという不安定な環境にありながらも、足場の悪いラグーナは外敵からの攻撃や侵入に対して、最良の防御設備でもありました。この立地をいかし、ヴェネツィア人は巨額の資金と莫大な労働力を費やして、他には類をみない都市を作り上げたのです。
 第1章では、ヴェネツィアの都市構造や国家機関を紹介し、海運王国として経済的にも宗教・文化的にも発展していったヴェネツィアの黄金期をたどります。

サン・マルコのライオン

ヴィットーレ・カルパッチョ
《サン・マルコのライオン》
1516年
カンヴァス、油彩
130.0×368.0cm
ドゥカーレ宮殿蔵
© ヴェネツィア市立美術館群財団

この翼のあるライオンは、ヴェネツィアの守護聖人サン・マルコのシンボルであり、同時にヴェネツィアそのものを象徴する存在です。この絵の中でライオンは、後ろ足を海、前足を陸に置き、ヴェネツィアが水・陸の両方から成り立つことを示しています。
 本作はヴェネツィアを代表する絵画であり、ヴェネツィアの外に持ち出されることは大変まれで、今回東京・名古屋会場のみの特別出品です。

ジェンティーレ・ベッリーニ

ジェンティーレ・ベッリーニ
《総督ジョヴァンニ・モチェニーゴの肖像》
1478-79年(1481-85年?)
板、テンペラ
62.0×45.0cm
コッレール美術館蔵
© ヴェネツィア市立美術館群財団

ここに描かれているジョヴァンニ・モチェニーゴは、1478年から1485年までヴェネツィア共和国の政治的リーダーである「総督」の座についた人物です。
 身につけている帽子やマントは総督にふさわしく、たいへん高価な金糸でできており、ヴェネツィアの繁栄と総督の権威を物語っています。総督の横顔を描いた肖像画は、15世紀に多く制作されましたが、本作はその中でももっとも完成度の高い作品のひとつです。

第2章 華麗なる貴族

黄金期を迎えたヴェネツィア人の生活、華麗なる日々を紹介いたします。カナル・グランデ(大運河)の両岸に並ぶ豪奢なパラッツォ(邸館)。そこでくりひろげられためくるめく生活は、ピエトロ・ロンギなどの画家によって優雅に描かれています。また織物や香水、履き物、レース編み、とりわけヴェネツィアンガラスは極めて洗練され、高い人気をほこりました。

クリスタル・ガラスの水差し

ムラーノ製
《クリスタル・ガラスの水差し》
15世紀末-16世紀初頭
金箔および可溶性多色エナメル彩による渦型の花飾りと鱗状紋様のあるクリスタル・ガラス
高さ20.9cm、直径7.2cm
ガラス博物館蔵
© ヴェネツィア市立美術館群財団

ヴェネツィアでは火事の際の燃え広がりと技術の流出を防ぐため、13世紀に本島の北東に位置するムラーノ島にガラス工房が集められました。以来ガラスの生産地として、現在まで発展してきました。この水差しは、ムラーノ島におけるガラス製造のもっとも早い時期の作例のひとつです。植物と幾何学的な紋様は鮮やかな色彩でいろどられ、細かな部分まで丁寧に彩色されている点に、ご注目ください。

香水売り

ピエトロ・ロンギ
《香水売り》
1750-52年
カンヴァス、油彩
62.0×50.0cm
カ・レッツォーニコ蔵
© ヴェネツィア市立美術館群財団

貴族の生活の様子を描くことを得意とした、ピエトロ・ロンギの傑作のひとつです。左手の老女が、中央の仮面をつけた男女に香水を売る場面を描いています。18世紀のヴェネツィアでは、このように貴族たちは仮面をつけて身分を隠し、劇場や賭博場に出かけました。

第3章 美の殿堂

ヴェネツィアの芸術は、16-18世紀に頂点を迎えました。15世紀末からベッリー二の一族が、そして16世紀にはティツィアーノ・ヴェチェリオ、ティントレット(ヤコポ・ロブスティ)などヴェネツィア派絵画と呼ばれる一群の画家たちが活躍しました。

また、軍事・経済上の衰えをみせはじめながらも、18世紀はヴェネツィアにとっていまだ輝かしい成功の時代であり、絵画、建築、彫刻、音楽、演劇などの文化は舞台の主役であり続けました。

この章では、ヴェネツィア派絵画の創始者のひとりでもあるジョヴァンニ・ベッリーニから、「景観画家」として大成功をおさめたカナレット(ジョヴァンニ・アントニオ・カナル)などヴェネツィアの誇る絵画芸術の栄華を堪能することができます。

聖母子

ジョヴァンニ・ベッリーニ
《聖母子》
1470年頃
板(19世紀にカンヴァスに移し替え)、テンペラ
52.5×43.2cm
コッレール美術館蔵
© ヴェネツィア市立美術館群財団

聖母マリアと幼子イエスを描いた絵画で、初期ルネサンス期の優品です。聖母の長く美しい手やイエスの頭髪は、非常に細かく描き込まれています。背景の青空や聖母の服の色味は淡く穏やかで、優美な印象を与えます。

作者のベッリーニはヴェネツィア派初期の代表的な画家で、本作のような柔らかな光に包まれた聖母子像を多く描きました。ジョルジョーネ(ジョルジョ・バルバレッリ・カステルフランコ)やティントレット(ヤコポ・ロブスティ)など、著名な弟子を育てたことでも知られます。

聖母子と洗礼者聖ヨハネ

ヴィットーレ・カルパッチョ
《聖母子と洗礼者聖ヨハネ》
1485-90年頃
板、テンペラと油彩
67.0×52.5cm
コッレール美術館蔵
© ヴェネツィア市立美術館群財団

人類の罪をつぐなうために十字架にかけられるイエスの運命を予感し、聖母マリアが祈りを捧げる場面です。赤・黄・緑色などの強い色が使われていますが、うまく背景の淡い色調による自然描写と調和しています。ジョヴァンニ・ベッリーニをはじめ先達の影響を受けつつも、輝くような色彩や光の表現で独自の画風をうち立てたカルパッチョの、初期の作品です。

関連事業

■「ヴェネツィア展」開幕プレゼント

・平成23年(2011)12月22日(木)~平成24年(2012)1月9日(日)の開館日の12日間、
 各日先着100名様に「ヴェネツィア展」オリジナルグッズを差し上げます。

■ミニ・コンサート 会場:名古屋市博物館1階ロビー(聴講無料)

・クリスマス・コンサート
 日時:平成23年(2011)12月23日(金・祝)14:00~14:30と15:00~15:30(同じ演目)
 出演:アミーチ・カント(名古屋芸術大学)クリスマス・コンサート
 日時:平成23年(2011)12月23日(金・祝)14:00~14:30と15:00~15:30(同じ演目)
 出演:アミーチ・カント(名古屋芸術大学)
・ニューイヤー・コンサート
 日時:平成24年(2012)1月9日(月・祝)14:00~14:30と15:00~15:30(同じ演目)
 出演:名古屋フィルハーモニー交響楽団 まちかどコンサート
・カーニヴァル・コンサート
 日時:平成24年(2012)2月19日(日)14:00~14:30と15:00~15:30(同じ演目)
 出演:アミーチ・カント&アンサンブル・ピクニック(名古屋芸術大学)

■記念講演会 会場:名古屋市博物館講堂(定員220 名・当日先着順・聴講無料)

日時:平成24年(2012)1月22日(日)14:00~15:30(開場13:30)
演題:「ヴェネツィア-水の都と芸術」
講師:京谷啓徳氏(きょうたによしのり・九州大学大学院准教授)

※開演1時間前(13:00)より、1階講堂入口にて入場整理券を配付します。

■展示説明会 会場:名古屋市博物館講堂(定員220 名・当日先着順・聴講無料)

日時:平成24年(2012)2月4日(土)14:00~15:30(開場13:30)
講師:五味良子(当館学芸員)

※開演1時間前(13:00)より、1階講堂入口にて入場整理券を配付します。

主催・後援・協力

【主  催】 名古屋市博物館、中部日本放送、中日新聞社、東映、TBS
【後  援】 外務省、文化庁、イタリア大使館
【協  賛】 大日本印刷、損保ジャパン、アイシン・エィ・ダブリュ
【協  力】 ヴェネツィア市立美術館群財団、アリタリア-イタリア航空、
       日本貨物航空、アルテリア、日本通運