展示

15 なりわい

なりわい(生業)とは生活の基盤となる仕事のことで、日常生活もそれぞれのなりわいによって左右された。農村における米づくりが、集落や社会のありかたを決定付け、農村の生活を制約したように、職人にもその仕事による固有の信仰と独特の暮らしぶりがあった。機械生産が主流を占めるようになった今日、これらの手仕事は姿を消しつつある。

なりわい展示風景

15-1 米づくり

田起しに始まり秋の収穫まで、農村の一年の生活は米づくりを中心に営まれた。施肥法、除虫法など農業技術が改良され、農具も徐々に変化してきた。江戸時代には各種の鍬が、また、明治になると改良された犂が普及した。特に改良が著しかった農具は、千歯扱き・万石篩・足踏み脱穀機など稲の脱穀から精白に使用する道具類であった。

米づくりの道具(こめづくりのどうぐ)

米づくりの道具
(こめづくりのどうぐ)

15-2 桶屋

名古屋は木曽の山林をひかえ、良質な木材の集散地であり、その椹材によって桶が作られた。桶はクレと呼ばれる板材を組み合わせ、タガで締めて作る。クレの合わせ目の精密な加工は、台鉋をはじめとする道具の普及で可能となった。この技術は中世以降実用化され、従来の薄板を曲げて作る曲物より、大きくて丈夫な容器ができるようになった。

桶屋(おけや)

桶屋
(おけや)

15-3 しぼり

有松・鳴海付近の絞り技術は、江戸時代初めに、豊後(大分県)から伝わったといわれている。三河・知多の木綿産地に近い好条件に恵まれ、製品は東海道を行き来する旅人のみやげとしてもてはやされた。江戸時代後期には、絞商の下に晒職・括方職・取次職(陰師)・紺屋などの分業制が生じる。中心となるくくりの仕事は、昔から女性の手内職として行われた。

絞り(しぼり)

絞り
(しぼり)