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過去の展覧会の紹介

この展覧会はすでに終了しています。会期は前年度以前の日付です。

古事記1300年 大須観音展

国宝 古事記 大須観音宝生院蔵 南北朝時代

国宝 古事記 大須観音宝生院蔵 南北朝時代
現存最古の古事記写本として知られる。

節分や門前町のにぎわいで多くの市民に親しまれている名古屋市中区の大須観音。この大須観音が国宝『古事記』を初めとする古典籍の宝庫「大須文庫」を持つことは、意外と知られていないのではないでしょうか。

大須観音の所蔵品は、国宝4件、重要文化財37件を含む平安から室町までの仏書、典籍類が一万点を超えます。この中には日本最古、世界唯一という書物が多く含まれています。

そして平成24年は、和銅5年(712)の古事記誕生から1300年、大須観音が木曽三川の中洲から名古屋に移転して400年を迎えます。この記念すべき年に大須観音が伝える文化財の数々と、街とともに歩んできた歴史を広く紹介します。

平成24年12月1日(土) ~平成25年1月14日(月)

休館日:12月3日(月)、10日(月)、17日(月)、 25日(火)、年末年始(12月29日~1月3日)、1月7日(月)
主催:名古屋市博物館、大須観音宝生院、中日新聞社、日本経済新聞社、テレビ愛知
共催:名古屋大学文学研究科

観覧料

一般 1000円 (800円)
高大生 600円 (400円)
中学生以下 無料 (無料)
  • ※名古屋市交通局の一日乗車券・ドニチエコきっぷを利用して来館した方は当日料金から100円割引します。
  • ※身体等に障害がある方は手帳の提示により、本人と介護者2名まで当日料金の半額になります。
  • ※各種割引は重複してご利用いただくことはできません。
  • ※前売券は、名古屋市博物館・中日新聞販売店・名古屋市内の主要プレイガイド・チケットぴあ(Pコード:765-391)ローソンチケット(Lコード:43800)で11/30まで販売。(販売所により
  • 手数料がかかる場合があります)

第一章 大須観音のはじまり

大須観音といえば、門前町のにぎわいとともに多くの市民に親しまれています。大須観音は正式名称を北野山真福寺宝生院といい、もとは南北朝時代に木曽三川の中洲(今の岐阜県羽島市付近)に誕生しました。そして今からちょうど400年前の慶長17年(1612)、名古屋城下町の建設にともなって、現在地へと移転したのです。

ここでは、移転前の真福寺がどのような寺院だったのか、数多くの古典籍はどのようにして集められ、またどのように利用されたのかなど、真福寺誕生の謎に迫ります。

能信画像 江戸時代 大須観音宝生院蔵

能信画像 江戸時代 大須観音宝生院蔵

第二章 中世日本の「知」の拠点

大須観音には国宝4件、重要文化財37件もの文化財が存在します。今回の展覧会は、それらすべての国宝と、多くの重要文化財を一度に見ることができる、またとない機会です。

ですが、蔵書数15,000点を超える大須文庫の広く深い世界は、国宝や重文に尽きるものではありません。南北朝から室町時代にかけて東大寺東南院をはじめ各地から書写・収集された大須文庫の蔵書は、まさに中世日本の「知」の世界を伝える巨大な遺産と言えます。ここでは、いまだ多くの謎を秘めた大須文庫の全体像に迫ります。

信瑜画像

信瑜画像 室町時代 大須観音宝生院蔵 真福寺の二代住職。
東大寺東南院で要職を務め、南都から多くの典籍をもたらした。

国宝 漢書食貨志

国宝 漢書食貨志 奈良~平安時代 大須観音宝生院蔵 前漢時代の歴史書。
東大寺東南院からもたらされた。

第三章 大須文庫を調べる

大須文庫の古典籍は、これまで火災や空襲など多くの危機を乗り越えてきました。そして、地道な調査によって、その価値が少しずつ明らかにされてきました。展覧会では、文庫を守り、その価値を明らかにしてきた先人の歩みを振り返ります。そして、今もなお進められている最新の研究成果と驚くべき新発見を紹介し、この文庫が持つ未来への可能性を展望します。

栄西書状 鎌倉時代

栄西書状 鎌倉時代 大須観音宝生院蔵
仏典のページの裏(紙背)から、臨済宗の開祖・栄西自筆の書状が見つかった。

第四章 街に生きる大須観音

全国でも有数のにぎわいを誇る大須商店街。大須観音が名古屋城下に移転してからの400年間は、この門前町・商店街との関係を抜きにして語ることはできません。

展覧会では、この400年の歩みを様々な記録や懐かしい写真などによって振り返り、大須の「にぎわい」のルーツを探ります。加えて、節分や馬の頭などのにぎわいを、実際に使われる道具を用いて会場に再現します。

名古屋名所団扇絵(大須観音)

名古屋名所団扇絵(大須観音) 館蔵 昭和(江戸時代後期成立)
江戸時代の大須観音境内のにぎわい。

大須観音を知り尽くす!関連事業も満載。

○特別講演会

12月12日(水)14時~15時30分 13時より整理券配布 13時30分開場
場所:博物館地下1階 講堂(先着220名:聴講無料)
「街に生きる大須観音―その歴史と現在」
大須観音宝生院貫主 岡部快圓(おかべかいえん)氏

○記念講演会

いずれも14時~15時30分 13時より整理券配布 13時30分開場
場所:博物館地下1階 講堂(先着220名:聴講無料)
 12月2日(日) 「大須観音の資料で禅の見方が変わる」
 講師:国際日本文化研究センター教授 末木文美士(すえきふみひこ)氏
 12月23日(日)「里帰りの国宝 『漢書食貨志』の謎」
 講師:国際仏教学大学院大学教授 落合俊典(おちあいとしのり)氏

○シンポジウム「開かれる大須文庫」

12月16日(日) 13時~16時30分 12時より整理券配布、12時30分開場
場所:博物館地下1階 講堂(先着220名:聴講無料)
基調報告:名古屋大学教授 阿部泰郎(あべやすろう)氏
      名古屋大学教授 稲葉伸道(いなばのぶみち)氏
パネラー:国際仏教学大学院大学教授 落合俊典(おちあいとしのり)氏
      愛知県立大学教授 上川通夫(かみかわみちお)氏
      神戸学院大学准教授 米田真理子(よねだまりこ)氏

○展示説明会

いずれも14時~15時30分 13時30分開場
場所:博物館1階 展示説明室(先着100名:聴講無料)
講師:当館学芸員
 12月22日(土)奇跡の文庫―大須文庫の歴史と文化財
 1月5日(土) にぎわいを産む空間―大須観音と門前町の400年

○常設展話題のコーナー「大須のにぎわい」

2階常設展示室で、大須商店街の名店秘蔵の品を紹介します。
展示期間:平成24年11月20日(火)~平成25年1月20日(日)
観覧料:常設展観覧料(大人300円、高大生200円、中学生以下無料)
 ※「大須観音展」チケットでご入場いただけます。

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