過去の展覧会の紹介

この展覧会はすでに終了しています。会期は前年度以前の日付です。

トプカプ宮殿の至宝展

トルコ・イスタンブール紀行 トプカプ宮殿の至宝展 オスマン帝国と時代を彩った女性たち

会期:2007年12月11日(火)~2008年2月11日(月・祝)
休館日:月曜日(祝日の場合はその直後の平日)、第4火曜日(祝日を除く)、年末年始(12月29日~1月3日)
会期中の休館日:12月17日(月)、12月25日(火)、12月29日(土)~1月3日(木)、1月7日(月)、1月15日(火)、1月21日(月)、1月22日(火)、1月28日(月)、2月4日(月)

観覧料

一般 1200円 (1000円)
高大生 800円 (600円)
小中生 400円 (200円)

好評前売中

・(  )内は前売・団体(20名以上)料金。
・名古屋市交通局発行のユリカ・一日乗車券・ドニチエコきっぷを利用して来場の方は、当日料金から100円割引。
・身体等に障害のある方で手帳をお持ちの方(介護者も2名まで)は当日料金の半額。手帳をご提示ください。

スルタンの権力 ハレムの栄華

 600年にもおよぶ繁栄を続けたイスラム世界の超大国オスマン帝国は領土を拡大する一方、様々な宗教・民族に属する人々を統合し、共存共栄を実現しました。帝国を統治したスルタンたちは、優れた芸術・文化をはぐくみ、類まれな文明を築き上げました。本展覧会では絶大なる栄華を誇ったオスマン帝国文化の発信基地となったトプカプ宮殿の貴重なコレクションを通じて、オスマン王朝の黄金時代を展観します。

トプカプ宮殿

トプカプ宮殿

第1章 世界帝国に君臨したスルタン

 アジア・アフリカ・ヨーロッパの三大陸にまたがる広大な領域を支配し続けた大帝国に君臨し、イスラム教徒の宗教的指導者であるカリフの地位をも兼ねた歴代のスルタンたち。この章では、スルタンたちの風ぼうとそのシンボルである花押(トゥグラ)を付した文書および馬印(トゥー)、帝国の戦力を支えたさまざまな武具、国是として帝国の支柱となったイスラムの信仰にかかわる品々により、巨大帝国オスマンと支配者スルタンの栄光の歴史を概観します。

アブデュル・ハミト1 世像 1774-89 年・礼装用兜 16世紀

アブデュル・ハミト1 世像 1774-89 年
礼装用兜 16世紀

第2章 宮廷生活と優雅なハレムの世界

 1453年、オスマン帝国はビザンツ帝国1千年の都コンスタンチノープルを征服し、都としました。イスタンブールと改名されたこの街に造営されたトプカプ宮殿は、以後19世紀なかばまで約380年間にわたりスルタンの居城でした。この宮殿は国政の場であると同時に、スルタンの生活の場でもありました。宮殿内での絢爛たる宮廷生活は、イスラム世界独自の哲学に端を発するものでした。男子禁制の秘められた世界「ハレム」では女性たちが宮廷文化に彩りを添えていました。関連展示品により、ベールに包まれたトプカプ宮殿の世界を紐解きます。

薄いベールを被った若い女性像 1710-20 年・象牙製化粧箱 18世紀

薄いベールを被った若い女性像 1710-20 年
象牙製化粧箱 18世紀

第3章 輝くオスマン王朝の栄華

 スルタンは強大な軍事力だけでなく、圧倒的な豪奢さで人を威服させました。その権力の強大さを如実にあらわしているのが、貴重な宝石や金銀を惜しげもなく用い、繊細な装飾が散りばめられた武具、調度品の数々です。トプカプ宮殿で今もなお燦然と輝くこれらスルタンの豪奢を一堂に会し、かつての栄光の歴史に想いを馳せます。

ターバン飾り 18世紀・水晶製薔薇水入れ 16 世紀後半

ターバン飾り 18世紀
水晶製薔薇水入れ 16 世紀後半

第4章 スルタンが愛した東洋の美

 15世紀末以降、スルタンたちは、当時、金銀よりも貴重な中国製の陶磁器を食器として愛好しはじめました。宋代の青磁や白磁、元代の染付、明代の赤絵など中国陶磁器の逸品が、宮廷の日常生活のなかで実用に供されていたのです。トプカプ宮殿に伝えられている中国陶磁器には、金や銀などで蓋や注ぎ口、把手、台などが付け加えられたものが多くあり、オスマン帝国の人々が好んだ形に変形させて使われていたことがわかります。ここでは、スルタンたちが収集し、愛好した東洋陶磁コレクションを通じて、超大国オスマンと東洋のふれあいを紹介します。

染付草花文扁壺 15世紀初頭(18-19 世紀に加工)・青磁刻花蓮文大皿 14世紀末-15世紀初頭

染付草花文扁壺 15世紀初頭(18-19 世紀に加工)
青磁刻花蓮文大皿 14世紀末-15世紀初頭

トプカプ宮殿博物館について

 トプカプ宮殿博物館はイスタンブール最大の名所のひとつで、毎年、世界中から200万人以上の見学者が訪れています。トプカプ宮殿の造営は、コンスタンティノープルを陥落させてビザンツ帝国を滅ぼしたスルタン、メフメット2世によって1465年に始まったとされます。同時代の著作家は東側の棟にギリシャ彫刻やイタリア人画家による油彩画、稀少な中国陶磁器などが集められていたと記述しています。メフメット2世が1481年に没すると、跡を継いだバヤズィット2世はこの東棟を宝物庫とし、現在では30万件以上のコレクションを誇るトプカプ宮殿博物館の原点がこのとき誕生しました。トプカプ宮殿はほぼ4世紀にわたってスルタンの居城であり政治と文化の中心であったため、おびただしい数の宝飾品、織物、書、豪華本、調度品などが贅を尽くした優雅な「トプカプ様式」で作られました。

トプカプ宮殿博物館・あいさつの門

トプカプ宮殿博物館・あいさつの門

 写真の作品はすべてトプカプ宮殿博物館所蔵 (c)Topkapi Palace Museum

講演会

 地下1階講堂/午後2時から(1時30分開場)/聴講無料/定員238名(先着順)

12月15日(土)

 「トプカプ宮殿と音楽・舞踏」 講師:小柴はるみ東海大学名誉教授

1月12日(土)

 「ハレムの女性たち」 講師:ヤマンラール水野美奈子龍谷大学教授

展示説明会

 1階展示説明室/午後2時から(1時30分開場)/聴講無料/定員100名(先着順)

1月26日(土)

 当館学芸員による展示解説。