過去の展覧会の紹介
初公開 芭蕉翁遺愛の笈(おい) 個人蔵
平成24年9月29日(土)~11月11日(日)
休館日:月曜日(但し10月8日は開館、9日振替休館)・第4火曜日(10月23日) 主催:名古屋市博物館・中日新聞社
観覧料
当日 | 前売・団体 | |
---|---|---|
一般 | 1,300円 | 1,100円 |
高大生 | 900円 | 700円 |
小中生 | 400円 | 200円 |
・前売券は9月28日まで販売。団体は20名以上。 ・名古屋市交通局の一日乗車券・ドニチエコきっぷを利用して来館した方は当日料金から100円割引します。 ・身体等に障害がある方は手帳の提示により、本人と介護者2名まで当日料金の半額になります。 ・各種割引は重複してご利用いただくことはできません。 ・前売券は、名古屋市博物館・中日新聞販売店・名古屋市内の主要プレイガイド・チケットぴあ(Pコード:765-273)ローソンチケット(Lコード:40755)で9月28日まで販売。(販売所により手数料がかかる場合があります)
芭蕉翁木像 誓願寺蔵
「古池や蛙飛び込む水の音」「物言へば唇寒し秋の風」などの句で親しまれている俳人・松尾芭蕉(1644-94)。ここ名古屋は、芭蕉が新しい境地を開いたとされる連句(「冬の日」五歌仙)が作られたことから、「蕉風発祥の地」とよばれています。芭蕉を支え、あるいは芭蕉の影響を受けた俳人も輩出しました。開館35周年を迎えるにあたり、当地方とゆかりの深い芭蕉をとりあげます。芭蕉の真筆約50点を中心に、芭蕉を生み出した文化、芭蕉の影響を受けて生まれた絵画など、芭蕉を中心として広がる世界をお楽しみください
芭蕉が生きた17世紀後半は、戦乱の世が終わり、新しい文化が生き生きと育ち始めた時代でした。それまではごく一部の人々のものだった『古今和歌集』『源氏物語』のような古典文学も、出版文化の興隆によって多くの人々に楽しまれるようになりました。芭蕉の句からも、古典文学の教養、能因・西行・宗祇といった旅する歌人へのあこがれが感じられます。また、室町時代に盛んだった連歌を母体として、「俳諧」という文芸が生まれましたが、言葉遊びの要素が大きい初期「俳諧」は、若い芭蕉の言語感覚を磨くのに役立ったようです。やがて「蕉風」と呼ばれる新しい「俳諧」を確立する芭蕉の素地、師やライバルを紹介します。
芭蕉の俳諧の先生 北村季吟画像 季吟文庫(滋賀県野洲市)蔵
芭蕉はその生涯に句や書のスタイルを何度か変えています。ひとつの場所にとどまらず、常に新しい境地を目指す姿は、旅する芭蕉の姿と重なります。
ここでは、芭蕉の生涯を、春―芽生えの時/夏―大いなる夢への転換/秋―旅をすみかとす/冬―「軽み」への道、の四期に分け、各時期の代表句や紀行文・書状などによってその変遷をたどります。
芭蕉筆「古池や蛙飛込水の音」短冊
公益財団法人柿衞文庫蔵(展示期間9/29-10/14)
芭蕉・許六筆「かれえだに」発句画賛
出光美術館蔵(展示期間9/29-10/21)
芭蕉のもとには多くの門人が集い、芭蕉没後にはそれぞれの方法で「蕉風」を伝えました。江戸時代後期になると、芭蕉を追慕し顕彰する人々が輩出し、次第に芭蕉は「俳聖」へと変わっていきました。主な門人達の作品や、大量に作られた芭蕉画像により、芭蕉人気の盛り上がりを紹介します。芭蕉を慕いながらも独自の句境を開いた蕪村や一茶、名古屋の俳人也有の作品も花を添えます。
重要文化財 蕪村筆「奥の細道図屏風」
山形美術館蔵 長谷川コレクション(展示期間10/24-11/11)
江戸時代が終わっても、芭蕉人気は続いています。ここでは、小川芋銭・小杉放菴・小野竹喬など、芭蕉作品に啓発されて生まれた近現代美術を紹介します。また、芭蕉が名古屋の町人たちと行った連句「冬の日」を題材に、川本喜八郎が製作した人形がこの「芭蕉ワールド」を締めくくりますが、芭蕉は今後も、ジャンルを超えて生き続けていく文化遺産なのでしょう。
小野竹喬画「奥の細道句抄絵」のための下絵・習作から
「まゆはきを俤にして紅粉の花」笠岡市立竹喬美術館蔵
(会期中、同じシリーズの作品を展示替えします)
※会期中展示替えを行います。
記念講演会・講座・公開連句会
いずれも 聴講無料 上演14時~15時30分
先着220名(13時より整理券配布)
記念講演会
9月29日(土)記念講演会「芭蕉-二つの顔-」
白百合女子大学名誉教授 田中善信氏
「俳聖」のイメージに隠されて見えにくくなった芭蕉の本当の姿は? 芭蕉、人生の転機を推理する。
連続講座「文化遺産としての芭蕉」
芭蕉の魅力に、各方面から迫る!
10月14日(日)現代に生きる芭蕉
名古屋ボストン美術館館長 馬場駿吉氏
10月20日(土)「蕉風」の流行-尾張の場合
名古屋外国語大学非常勤講師 服部直子氏
10月27日(土)芭蕉の筆跡―その変遷と大師流―
出光美術館学芸員 別府節子氏M
11月3日(土・文化の日)真筆で味わう芭蕉の名句
当館学芸員 山本祐子
公開連句会
10月6日(土)
連衆(出演)大島宏彦・馬場駿吉・大野鵠士・成瀬淳子の各氏
解説「連句とは」獅子門第四十一世道統 大野鵠士氏
・10月8日(月・体育の日)特別展「芭蕉」コンサート
蕉風フルートアンサンブルの四季 芭蕉句と音楽のコラボレーション
(1)13:00~13:30 (2)14:30~15:00
聴講無料 展示説明室にて 先着100名
演奏 セントラル愛知交響楽団室内アンサンブル
(フルート・ヴァイオリン・ビオラ・チェロ)
吟唱 日比野真子さん(岩倉市立南部中学校2年生)
編曲 セントラル愛知交響楽団事務局長 山本雅士氏
・11月4日(日) 特別展「芭蕉」琵琶コンサート
琵琶で奏でる 松尾芭蕉
13:30~15:00
聴講無料 展示説明室にて 先着100名
演奏 筑前琵琶旭如会(久世旭如氏、小川旭由氏、青山旭郁氏、藤原旭佳氏)
解説 野田眞治氏