過去の展覧会の紹介
会期:平成23年(2011)7月16日(土)~8月28日(日) 閉館時間:午前9時30分~午後5時(展示室への入場は午後4時30分まで) 休館日:7/19(火)・7/25(月)・7/26(火)、 8/1(月)・8/8(月)・8/15(月)・8/22(月)・8/23(火)
観覧料
当日 | 前売 | 団体(20名以上) | |
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一般 | 1000円 | 800円 | 800円 |
高大生 | 600円 | 400円 | 400円 |
小中生 | 無料 | - | - |
※前売券の発売は開催前日の7月15日まで。
■前売券は主要プレイガイド、中日新聞販売店、チケットぴあ(Pコード764-703)および提携コンビニなどでお求めいただけます。
*店舗により、発券手数料の必要な販売所があります。事前にご確認ください。
あま市(旧海部郡甚目寺町)の鳳凰山甚目寺は、飛鳥時代、推古天皇5年(597)に創建されたという縁起をもつ、尾張地方でも屈指の古刹です。境内からは白鳳時代の軒丸瓦も出土し、その長い歴史をうかがわせます。
本尊の観音菩薩の霊験は御伽草子「うばかわ(姥皮)」により諸国に響き、一遍上人が七ケ日の行法をおこなった地としても知られます。
このたび、解体修復中の仁王像(愛知県指定文化財)の内部から、あま市出身の武将、福島正則による造立奉納を示す墨書銘が発見されました。2011年は福島正則の生誕450周年にあたります。本展では、この仁王像の修復完成を記念し、寺宝と歴史を紹介します。
白鳳時代の軒丸瓦も出土する古代寺院でありながら、現代まで法灯をつなぐ甚目寺。長い歴史の中で、一遍、豊臣秀吉、福島正則ら様々な人々が崇敬の念を寄せました。出土品や伝来する武将ゆかりの資料を紹介します。
甚目寺遺跡出土資料 あま市甚目寺歴史民俗資料館蔵
本堂建て替えの際に発掘したもの。白鳳時代の瓦や、7世紀後半の材木を使った柱など、甚目寺が長い歴史を持つ古代寺院であることを証明する。
一遍聖絵 巻六 清浄光寺蔵 国宝
弘安6年(1283)、甚目寺を訪れた一遍上人。毘沙門天の加護により、七ケ日の行法を完遂する。(展示期間:7月16日~7月29日)
愛染明王坐像 甚目寺蔵 愛知県指定文化財
人間の情欲を浄化し、強い求道心に転化させる力を持つとされる仏。鎌倉時代の明王像の名品。修理中に胎内仏が発見された。(写真は修理前)
発見された胎内仏(愛染明王坐像)
像高6.6cm。カプセル状の容器に収められ、本体の愛染明王坐像の腹部の棚に固定されていた。納入方法が全国的にもめずらしい胎内仏で、全国の研究者から注目されている。
仁王像の奉納墨書とダブルの新発見である。
福島正則画像 菊泉院蔵
福島正則(1561~1624)の故郷の寺院に伝わる肖像画。正則は文禄4年(1595)から慶長5年(1600)まで、清須城主として尾張国の約半分を領土とした。
真言宗寺院である甚目寺には密教の曼荼羅(まんだら)から仁王像、十王像まで、様々な信仰に応じた多彩な仏画・仏像が伝来しています。また仁王像の墨書など今回の新発見についてもご紹介します。
閻魔王坐像 甚目寺蔵
人間の死後、その罪を裁く10名の裁判官の一人。等身大の10体が完備した南北朝時代の貴重な作例。
仁王像(吽形) 甚目寺蔵 愛知県指定文化財
武将、福島正則が清須城主だったときに甚目寺に奉納した像。最近まで伝来が分からなくなっていた。桃山時代の仏像の基準となる作品。
仁王像(吽形)の奉納銘
修復で解体した時に発見された墨書。慶長2年(1597)に福島正則が奉納した事を記す。
不動明王画像 甚目寺蔵 重要文化財
不動明王は国家鎮護を司る、密教のほとけ。制作は院政期で、豪奢な装身具と衣は截金で精密な文様で装飾され、彩色のグラデーションも華やかな貴族好みの作風を示す。(展示期間:8月8日~8月28日)
江戸時代、名古屋城下の人々にとって甚目寺は霊場であるとともに、行楽地でもあり、開帳などは大にぎわいでした。イベントを仕掛ける甚目寺の経営努力や、画家や文人が訪れる文化サロンとしての甚目寺についても紹介します。
張州勝藍開帳集より甚目寺開帳の様子 名古屋市博物館蔵
文化2年(1805)に集中して開催された、甚目寺をはじめとする海部郡、中島郡の寺院の宝物開帳の記録。寺近くの民家は一膳飯屋や貸座敷などに様変わりし、芸子芝居や万歳芝居、見世物の小屋が建ち並び、参詣人で混雑した。
■記念講演会 会場:当館講堂(定員220名・当日先着順・聴講無料)
■甚目寺展講座 会場:当館講堂(定員220名・当日先着順・聴講無料)
■くらべてみよう仁王とわたし
■仏像修復セミナー 会場:展示説明室(各回定員80名・事前応募制・聴講無料)
■写生会「仁王さんを描こう!」