展示

過去の展覧会の紹介

この展覧会はすでに終了しています。会期は前年度以前の日付です。

第六十二回式年遷宮記念 特別展 伊勢神宮と東海のまつり

観覧料

一般 1200円 (1000円)
高大生 800円 (600円)
小中生 400円 (200円)

()は前売・団体料金、団体は20名様以上です
※身体等に障がいのある方は、手帳の提示により本人と介護者2名まで、当日料金の半額となります。

伊勢神宮について

伊勢神宮は、正式には「神宮」といい、伊勢市にあります。天照大神を祀る皇大神宮(内宮)と豊受大神を祀る豊受大神宮(外宮)の両宮を中心として、別宮十四、摂社・末社・所管社百九をあわせた百二十五の宮社でなりたちます。
 垂仁天皇二十六年、伊勢の地に天照大神が鎮座したことを内宮の起源とし、雄略天皇二十二年(四七八)に天照大神の食事を司る豊受大神が祀られたのを外宮の起源とします。

神宮では、二十年に一度の式年遷宮にあたり、千五百点あまりの御装束神宝が調進されます。これらの御料は二十年間、御正殿に奉納され、御装束は次の遷宮で撤下されます。しかし、内宮、外宮の神宝については、新宮の西宝殿に移され、さらに二十年間保存された後に撤下されるという最も鄭重な取扱いがなされています。
 持統天皇四年(六九〇)に第一回式年遷宮が行われて以来、およそ千三百年。古式のまま調進される御装束神宝から、長い歴史の中で受け継がれてきた伝統的な美と技をみることができます。

第一章 遷宮と神宝

伊勢神宮の鎮座から遷宮まで、長い歴史を御装束神宝と文献からたどります。  神宝の中でも、特に華麗かつ重厚な装飾を施されたものが、玉纏御太刀(たままきのおんたち)です。琥珀、瑪瑙、水晶、瑠璃をちりばめ、鞘には五色の吹玉が飾られたもの。華やかな御装束神宝の世界をお楽しみください。
 神宮の歴史を紐解くと、重要な位置づけにあるのが、日本最古の歴史書である『古事記』です。今回展示する国宝『古事記』(大須観音宝生院蔵)は、現存最古の写本として知られるもので、中巻に、倭建命(やまとたけるのみこと)が伊勢において、倭比売命(やまとひめのみこと)から草薙剣(くさなぎのつるぎ)を授かった記事が収録されています。

古事記(国宝) 大須観音宝生院蔵 「草那藝釼」の文字がみえる

古事記(国宝) 大須観音宝生院蔵 「草那藝釼」の文字がみえる

第二章 朝廷・幕府と神宮

朝廷、幕府と神宮の関係を考えるうえで、大きな役割を果たしたのが慶光院上人です。慶光院は、内宮鳥居前、五十鈴川左岸の浦田町に位置した尼寺で、戦国から江戸時代前期にかけ、当時、戦乱で中断していた正遷宮の復興に向け、勧進に尽力しました。
 ここでは、後陽成天皇宸筆の「慶光院」の院号を記した額、江戸幕府から拝領した堆朱香盆、鳩杖といった拝領の品々を展示します。

第三章 伊勢参宮の流行

「一生に一度は伊勢へ参りたい」 江戸時代の人々の伊勢への思いとして、よく使われるフレーズですが、ここでは、民衆の参宮にスポットをあてます。
 全国から民衆が大挙して伊勢へと向かったおかげまいり。六十年周期で流行して、関連グッズがつくられるほど盛大でした。写真の法被(はっぴ)も、文政十三年(一八三〇)のおかげまいり流行にちなんだおもちゃで、一枚の細長い紙で作る折り紙です。
 ここでは、おかげまいりの資料や、参宮にともない伊勢で賑わった芝居などを取り上げます。
 特に今年は、六十年に一度のおかげまいりの年。干支でいうと庚寅にあたります。博物館で歴史を学び、お伊勢さんを詣でれば、感動も一際というものです。

文政おかげ参り刷物類貼込帳(法被) 大阪大学大学院文学研究科蔵

文政おかげ参り刷物類貼込帳(法被) 大阪大学大学院文学研究科蔵

『画誌卯之花笠(えほんうのはながさ)』 名古屋市博物館蔵
おかげまいりで伊勢に向かう人々(宮の渡し)

『画誌卯之花笠(えほんうのはながさ)』 名古屋市博物館蔵
おかげまいりで伊勢に向かう人々(宮の渡し)

第四章 伊勢から伝わる祭礼

慶応三年(一八六七)、伊勢神宮などのお札が空から降ったことをきっかけに、お祭り騒ぎとなった「ええじゃないか」。三河を発端とし、名古屋を経由して全国へ波及していきました。ここでは、「ええじゃないか」の流行の謎に迫ります。
 加えて、伊勢から伝わる祭礼として、尾張に残るお鍬祭りも展示します。この祭りは、江戸時代から始まり、六十年周期で、現代まで受け継がれています。
 造り物、踊り、仮装などの華やかな練り物が登場し、江戸時代もいまも変わらぬ賑わいをみせているのが特徴です。お鍬祭りの歴史とともに、平成十九、二十年に行われた尾張西部のお鍬祭りにもスポットをあてます。長さ十一mの巨大クジラが、皆様をお待ちいたします。

『御鍬祭真景図略』名古屋市博物館蔵 文政10年(一八二七)の祭りの様子

『御鍬祭真景図略』名古屋市博物館蔵 文政10年(一八二七)の祭りの様子

名古屋市中区大須のお鍬祭り 平成19年10月19日

名古屋市中区大須のお鍬祭り 平成19年10月19日

関連事業

■4月17日(土)落語会
 雷門獅篭「桑名舟」

■4月24日(土)・25日(日)
 「斎王群行と平安装束の公開ショー」
 財団法人 民族衣裳文化普及協会

■5月1日(土)講演会
 皇學館大学教授 井後政晏(いじりまさやす)氏
 「神宮式年遷宮の歴史」

■5月2日(日) 展示説明会 当館学芸員

■5月8日(土)講演会
 皇學館大学教授 岡田登氏
 「お蔭参りと伊勢の神宮 ―人々は、なぜ伊勢をめざしたか―」

■5月9日(日) お鍬祭りシンポジウム
 基調講演  愛西市教育委員会 石田泰弘氏
*いずれも聴講無料 博物館講堂にて
 13時30分開場 14時開演 定員220名(当日先着順)

■5月5日(祝・水) 伊勢大神楽実演 山本長太夫社中
*聴講無料 博物館庭園にて
 14時開演 雨天の場合は1階ロビー

主催・特別協力・協力・後援・協賛

【主  催】名古屋市博物館 社団法人 霞会館 中日新聞社 東海テレビ放送
【特別協力】神宮司廳
【協  力】神社本庁 伊勢神宮式年遷宮広報本部 熱田神宮 愛知県神社庁 静岡県神社庁 岐阜県神社庁 長野県神社庁 三重県神社庁 皇學館大学 財団法人民族衣裳文化普及協会 名古屋市交通局 JR東海 近畿日本鉄道 名古屋鉄道
【後  援】愛知県・静岡県・岐阜県・長野県・三重県各教育委員会
【協  賛】株式会社赤福 サーラグループ フォルクスワーゲン グループ ジャパン株式会社 株式会社トーエネック 日本土建株式会社