過去の展覧会の紹介

この展覧会はすでに終了しています。会期は前年度以前の日付です。

企画展 名古屋城を記録せよ!
名古屋城百科『金城温古録』の誕生

名古屋城を記録せよ! 名古屋城百科『金城温古録』の誕生

会期:平成20年9月6日(土)~10月5日(日)
休館日:9月8日(月).16日(火).22日(月).29日(月)
開館時間:9:30→17:00(展示室への入室は16:30まで)
観覧料金:一般300(400)円・高大生200(300)円・小中生は無料

名古屋市在住の65歳以上の方は、100(200)円(要敬老手帳など)。( )内は2階常設展「尾張の歴史」との共通観覧料金。
30名以上の団体および名古屋市交通局発行のユリカ・一日乗車券・ドニチエコきっぷでご来場の方は、一般・高大生50円引。
身体等に障害のある方で手帳をお持ちの方(介護者も2名まで)は観覧料金無料。

『金城温古録(きんじょうおんころく)』は、尾張藩士・奥村得義(かつよし)(1793~1862)とその養子・定(さだめ)(1836~1918)が編集した10編64巻におよぶ名古屋城の百科事典です。
 専門の研究書から現在人気の『名古屋城検定』まで、名古屋城をテーマとする際に『金城温古録』を材料やネタ本として使っていないものは存在しないといっても過言ではありません。編纂された当時も、現在も、名古屋城についてこれほど網羅的に記録した書物はないからです。我々は、『金城温古録』を調べることによって、空襲で焼失した名古屋城の内部を知ることができるのです。
 家康の西国統一の試金石として建設された名古屋城築城以来200年、泰平の世が続く中では、名古屋城に関わる事柄は、封印され、伝説化した機密事項となり、まとまった記録がのこされる機会もなく、すぎていました。しかし、日本の沿岸に外国船が出没する時代ともなると、最重要防衛施設のひとつとして正確な記録が求められたのです。
こうした時代を背景に誕生することとなったのが『金城温古録』でした。
 この展覧会では、『金城温古録』に記録された名古屋城を紹介するとともに、2代87年にわたって編纂を続けた奥村親子の足跡をたどります。

展示構成

名古屋城ー尾張名古屋のトップシークレットー

『金城温古録』に記録された当時の機密事項を次のような名古屋城の特徴を示すテー マ別にとりあげ、クイズ形式も交えて紹介します。

・名古屋城は日本最大級の要塞だった
・名古屋城の象徴、天守と金鯱
・名古屋城にはふたつの御殿があった
・御殿は広大な庭園と貯蔵庫群にかこまれていた

御天守鯱

御天守生地口寸尺図面
名古屋城管理事務所蔵

名古屋城百科の誕生

名古屋城について調査の必要に迫られた藩は、文政4年(1821)調査チームを結成します。そこに選ばれたのが奥村得義でした。さらに藩は、調査終了後、得義に対し、名古 屋城に関する記録の編纂を命じ、これが後に『金城温古録』となりました。  ここでは、『金城温古録』誕生の経緯とともに、奥村家の歴史、交友関係、収集した膨大な蔵書などを紹介します。

三つの『金城温古録』

『金城温古録』は、万延元年(1860)藩に献納されましたが、この時納められたのは、ほぼ半分にあたる前半部分でした。  得義没後、藩命により編纂を引き継いだ定は、数十年をへた明治35年、後半部分の清書を完成させ、尾張徳川家へ納入しました。この後、名古屋市史の編纂助手を勤めた定は、新たに校訂を加えた『金城温古録』を製作し、同市に寄贈したのです。ここでは、『金城温古録』が最終的な完成にいたる明治維新後の足跡をたどります。

金城温故録

金城温古録
左 名古屋市蓬左文庫蔵
右 名古屋市鶴舞中央図書館蔵

伝説の名古屋城大絵図を初公開

名古屋市蓬左文庫が所蔵する「元禄10年御城絵図」は、名古屋城の全体を示す図として名古屋城を扱う図書などには、必ず登場しているものですが、四方が5メートルを超える巨大な大きさのためこれまで原本が公開されたことはありませんでした。

この図は、奥村得義が『金城温古録』編纂に際して藩から拝領したもので、『金城温古録』に数多く引用されています。大正6年すべての編纂を終了した定が徳川家に返納したため、現在は、蓬左文庫に伝来しています。

元禄10年御城絵図

元禄10年御城絵図
名古屋市蓬左文庫蔵

百年をへて初めて出会う三つの『金城温古録』

奥村得義・定親子が直接編纂・製作した『金城温古録』は現在清書本・草稿本・校訂本の三つがあり、それぞれ名古屋市蓬左文庫・東洋文庫・名古屋市鶴舞中央図書館に所蔵されています。定が名古屋市史のために製作した校訂本の完成から今年で100年、初めて三つの『金城温古録』が一堂に会します。

参加者募集!< 名古屋城見学会 『金城温古録』の歩き方
江戸時代・名古屋城への招待

『金城温古録』に記録された名古屋城を学芸員が案内します。 (2日間とも参加できる方に限ります。) 

日 時
  1日目 名古屋市博物館
   9月27日(土) 14:00~16:00 展覧会の解説と見学
  2日目 名古屋城
   9月28日(日) 10:00~12:00  名古屋城内散策と名古屋城特別展の見学

参加費(当日徴収)
   名古屋市博物館と名古屋城の団体観覧料+レクリエーション保険料(30円)

定 員 80名(要事前申込み。応募者多数の場合は抽選。

応募方法
  (1)往復はがきに参加者全員の氏名・年齢・郵便番号・住所・電話番号を記入の上、
「名古屋市博物館『金城温古録』の歩き方」係あてに申込。
  (2)インターネットの名古屋市電子申請サービスでも申込ができます。
    https//www.e-shinsei.city.nagoya.jp

締切:9月9日(火)必着。

展示説明会・はくぶつかん講座

展示説明会
 9月13日(土)14:00~15:00  1階展示説明室 先着100名
「トップシークレットを記録する」 当館学芸員
はくぶつかん講座 
 9月20日(土)14:00~15:00  1階展示説明室 100名
「幕末の学者・文化人サークル」 当館学芸員

おも城クイズ

『金城温古録』から、名古屋城の秘密にせまるクイズを出題します。 天守の地下には何がある?天守から富士山は見えた?等々・・・・ 乞うご期待!

同時開催 はくぶつかん古書市

9月20日(土)~28日(日)10:00~16:30
1階ロビー。名古屋古書組合と共催。郷土史関係の古本・地図を販売します。

展示替

下記の資料については、展示替をいたします。
 A9/6~15 B9/17~28 C9/30~10/5
28 「国秘録 掃除方留記」  (財)東洋文庫蔵   A
35 「国秘録 職俸録」    (財)東洋文庫蔵   B
36 「国秘録 職俸録 御徒格以下分限帳」 (財)東洋文庫蔵   C
37 「国秘録 三ノ丸御宮御霊屋建中寺御参詣并御位官之報知」
                     (財)東洋文庫蔵   A
86 「元禄名古屋図」 (財)東洋文庫蔵   A
120 「熱田御朱印留記」 (財)東洋文庫蔵   B

下記3件は、ABC3期で資料を入れ替えて展示します。
2 「金城温古録」  (財)東洋文庫蔵
31 「名古屋城郭図」 (財)東洋文庫蔵
38 「国秘録 始公御実録(敬公実録)」   (財)東洋文庫蔵

なお、46~61番 徳川林政史研究所と名古屋市蓬左文庫所蔵の「国秘録」については、①9/6~9/21 ②9/23~10/5で、開く資料が変わります。