展示

常設展フリールーム

伊勢湾台風61年

会期:8月26日(水曜)から10月25日(日曜)

 昭和34年(1959)9月26日に襲来した伊勢湾台風から61年。昨年度開催の「特別展 治水・震災・伊勢湾台風」に引き続き、新収資料を中心に大災害の知られざる実態を紹介しつつ、さらなる情報提供を呼びかけます。
 昭和30年代は、一般市民のもとにもカメラが普及し始めた時代です。そのため、伊勢湾台風は、市民が被害や復旧の様子を私的に撮影するようになった初めての大災害といえるでしょう。今回の展示でも、市民の方々が自らの体験談とともに寄贈してくださった伊勢湾台風写真を紹介します。
  加えて今回の展示で特に注目されるのが、2つの公的機関による記録写真です。ひとつは、名古屋市衛生局防疫課(当時)による記録写真です。伊勢湾台風では多くの人的被害があったため、遺体の収容と身元の確認、そして火葬が大きな課題となりました。また、汚水による浸水で被災地域に深刻な汚染が広がったため、水が引いた後には疫病等の蔓延を防ぐための大規模な防疫作業が行われました。ここではこれら2つの過酷で重要な業務の記録写真を紹介しますが、遺体が直接写っているものは避けて展示します。

白衣姿の男性2名が殺虫剤を散布する様子の写真

煙霧機の活躍 住宅の中を縦横に駆ける 昭和34年(1959) 館蔵

 もうひとつは、愛知県警察港警察署による記録写真で、警察活動の実施状況や地域の被害状況を撮影したものです。やはり遺体の収容作業など警察ならではの記録もありますが、日頃から地域住民とふれあう機会の多い警察官の性なのか、意外にも人々の表情や行動に注目した写真が多く、身近で親しみやすい記録となっています。

心配そうな表情でいすに腰掛ける女性の写真

安否を気遣う家族の身になって(杁場屯所) 昭和34年(1959) 館蔵

 伊勢湾台風60年の節目は昨年で終わりましたが、列島各地で災害が頻発する状況は続いており、災害の記録と記憶の重要性は高まる一方です。伊勢湾台風のことを伝えたい方も、伊勢湾台風のことを知りたい方も、どうぞご来場ください。