展示

特別展

伊勢湾台風60年事業「特別展 治水・震災・伊勢湾台風」

治水・震災・伊勢湾台風バナー

 東日本大震災以降、災害に対する社会的関心が大きく高まる中で、今年は伊勢湾台風から60年の節目を迎えます。私たちの住む濃尾平野では、歴史上どのような災害が起きてきたのでしょうか。そして人々はどのように災害と向き合ってきたのでしょうか。
 災害は単なる自然現象ではなく、被害を受ける人々がいて初めて災害となります。そのため、災害の発生した地域や時代の特質が被害や復興の様子に大きく影響します。そこで本展では、災害に関わる社会の動き、特に「開発と環境」「被災者支援の担い手」という2つの要素を軸に、濃尾平野を襲った歴史災害に迫ります。

展覧会情報

展覧会名称

伊勢湾台風60年事業「特別展 治水・震災・伊勢湾台風」

会期

令和元年(2019)9月21日(土曜)から11月4日(月曜・休日)

休館日

毎週月曜日(祝休日の場合は開館、翌平日休館)
会期中の休館日 9月24日、30日、10月7日、15日、21日、28日

開館時間

9時30分から17時(入場は16時30分まで)

主催

名古屋市博物館

協賛

矢作建設工業株式会社

観覧料

一般 高大生 中学生以下 市内在住の65歳以上

一般300(400)円

無料

無料

無料

  • ※無料観覧には学生証・敬老手帳等の提示が必要。
  • ※カッコ内は常設展との共通料金。高大生・市内在住の65歳以上の方が常設展に入場される際は、別途料金が必要。
  • ※名古屋市交通局のドニチエコきっぷ・一日乗車券を利用して来館された方は50円割引。
  • ※障害のある方は手帳、難病患者の方は受給者証の提示により本人と介護者2人まで料金無料。
  • ※30名以上の団体は割引があります。お問い合わせください。
  • ※各種割引を重複してご利用いただくことはできません。

展示構成

序章 災害を記録する

 災害を目の当たりにして衝撃を受けた人々は、しばしばその様子を記録し後世に伝えるために筆をとりました。残された記録を読み解くことで、現代の私たちも当時の災害について詳しく知ることができます。ここでは本展の導入として、豊かで鋭い観察眼を持った尾張藩士高力猿猴庵などの記録を紹介します。

堤防が決壊して見渡す限りの水面が広がる様子を描いた図

高力猿猴庵『安永洪水図』 安永8年(1779) 館蔵

第1章 江戸時代の治水

 江戸時代の濃尾平野には、木曽三川や庄内川が流れ、人々に豊かなくらしをもたらしてきました。しかし、上流のはげ山化や流域の新田開発によって環境が大きく変化した江戸時代中期には、水害対策が重要な政治的課題となりました。本章では、木曽三川や庄内川の治水をめぐって展開した地域の歴史を探ります。木曽三川流域の歴史資源の宝庫として今年新たに国指定重要文化財となった高木家文書も多数紹介します。

川やその周囲を描いた巨大な絵図

玉野川筋上川内禿地絵図面 文化10年(1813) 個人蔵

群衆が土を掘って堤防に積み上げていく様子

御冥加自普請之図 天明4年(1784) 館蔵

ずらりと並べられた分厚い帳面

川通御用日記(高木家文書)
江戸時代 名古屋大学附属図書館蔵

第2章 転換期の大震災

 近代化の荒波の最中で、濃尾平野は安政東海地震と濃尾地震という巨大地震に見舞われました。また、大正12年(1923)に起きた関東大震災も、名古屋と少なからぬ関係がありました。時代が大きく転回する中で、災害への対応はどのように変化したのかを紹介します。

津波に揺さぶられる船の様子

宮の津に旅人津浪を懼る図(『安政見聞録』) 安政3年(1856) 名古屋市蓬左文庫蔵

地震で倒壊する建物や逃げ惑う人々を描いた図

明治廿四年十月廿八日大地震図 明治24年(1891) 館蔵

名古屋城の石垣が崩れている様子

名古屋城榎木田門外郭ノ崩壊(『濃尾震災写真帖』) 館蔵 明治24年(1891)

第3章 伊勢湾台風

 伊勢湾台風から60年が経過し、これからも大災害の経験を伝えていくためには、当時の「生」の資料が重要度を増していきます。
 名古屋市博物館では平成26年(2014)2月、伊勢湾台風で最も大きな被害を受けた名古屋市立白水小学校(南区)の被災児童たちの手による作文集「台風記」と記録画「伊勢湾台風被災図」を受贈しました。それ以来、市民への公開を目指して「台風記」の作者探しを行い、近年ではさらに幅を広げて広く伊勢湾台風資料一般の収集・調査に取り組んでいます。
 「台風記」はこれまで約200名の方から公開の同意を得て、本展に合わせて資料集として刊行します。また、伊勢湾台風資料の調査では、多くの写真資料を受贈し、撮影地点の特定を進めています。
 そして、伊勢湾台風当時は高度経済成長の時代でした。重化学工業が中心的な産業となっていく一方で、昔ながらの職人・商店もまだ数多く存在していました。社会が大きく変容する中で、多様な被災者たちの生活再建はどのように進められたのかにも注目します。

原稿用紙とそれを綴じた綴り

台風記 昭和34~35年(1959~60) 館蔵

トランジスタラジオの写真

台風ニュースを聞いたラジオ 昭和後期 館蔵

巨大な材木で一面が埋め尽くされた中に立つ作業員たち

大同工業高校(山田芳写真資料) 昭和34年(1959)

4枚の書類

大同製鋼被災従業員への連絡 昭和34年(1959) 大同特殊鋼株式会社蔵

終章 伊勢湾台風の記憶が眠る街

 私たちの身近なところに存在する伊勢湾台風の被害や復興の名残を紹介します。

連携事業 災害を伝える

 東日本大震災の被災から再建を目指す岩手県の陸前高田市立博物館や、災害について様々な形の調査研究・教育普及活動を展開している機関・団体の取り組みを、ブース形式で紹介します。

関連事業

シンポジウム「災害と文化財・地域文化」

 岩手県の陸前高田市立博物館で文化財レスキューに従事してきた学芸員より、東日本大震災の被害から博物館再建に向けて取り組んでいる活動を紹介します。そして、東海地方では文化財や地域文化をいかにして災害から守っていくのかを考えます。

共催:
愛知県博物館協会
日時:
9月21日(土曜)13時30分から15時(開場13時)
講師:
陸前高田市立博物館学芸員・名古屋市博物館学芸員ほか
会場:
地下1階講堂(定員220名)

*聴講無料。

*当日9時30分より整理券を展覧会会場入口で先着順に配布します(1名につき1枚のみ)。

シンポジウム「災害史を学ぶ」

 伊勢湾台風をはじめとする災害関係資料を所蔵し、その活用に取り組んできた名古屋市鶴舞中央図書館・南図書館や名古屋市博物館の司書・学芸員が登壇し、図書館・博物館が災害教育にいかにして貢献できるかを議論します。

日時:
9月28日(土曜)13時30分から15時(開場13時)
講師:
名古屋市図書館司書・名古屋市博物館学芸員
会場:
1階展示説明室(当日先着100名)

*聴講無料。

連続講座

日時:
①伊勢湾台風 9月23日(月曜・祝日)
②江戸時代の治水 10月19日(土曜)
③転換期の震災 11月3日(日曜・祝日)
各回13時30分から14時30分(開場13時)
講師:
名古屋市博物館学芸員 鈴木雅
会場:
1階展示説明室(各回当日先着100名)

*聴講無料。

防災ワークショップ「非常時に役立つ!「紙食器」作り&牛乳パックDEホイッスル!」

日時:
10月14日(月曜・祝日) 10時から15時 随時受付・実施
会場:
1階展示説明室
協力:
名古屋市港防災センター

*参加無料。

講座などで手話通訳・要約筆記などによるサポートをご希望の方は、当日の2週間前までに名古屋市博物館までご相談ください。