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特別展・企画展

特別展 古代アンデス文明展

古代アンデス文明展バナー

 古代アンデス文明とは、南アメリカ大陸太平洋沿岸部の南北4000km、標高差4500mに及ぶ広大な空間において、先史時代からインカ帝国が滅亡する16世紀までの間に盛衰した文化全体をさします。空間・時間ともに長大な世界を舞台に、多種多様な文化が育まれました。ナスカの地上絵やインカ帝国のマチュピチュといった巨大な遺跡があり、神々や死者をかたどった土器、精巧な黄金製品や織物、ミイラなど、それぞれの文化において独特で神秘的な世界観が広がっています。

 本展覧会では古代アンデス文明史の中でも、カラル、チャビン、ナスカ、モチェ、ティワナク、ワリ、シカン、チムー、インカという9つの文化を核として取り上げています。先史から歴史を辿りながら、アンデスの全体像に迫ります。選び抜かれた貴重な約200点の資料とともに、秘められた文明を紹介します。

古代アンデス文明展特別企画ウェブサイト

展覧会情報

展覧会名称

特別展 古代アンデス文明展

会期

平成30(2018)年10月6日(土)~12月2日(日)

休館日

毎週月曜日・第4火曜日(祝日10/8(月)は開館、その直後の平日10/9(火)は休館)

10/9(火)、15(月)、22(月)、23(火)、29(月)、11/5(月)、12(月)、19(月)、26(月)、27(火)

開館時間

9時30分~17時00分(入場は16時30分まで)

会場

名古屋市博物館 1階 特別展示室・部門展示室

主催

名古屋市博物館、CBCテレビ、中日新聞社

後援

ペルー大使館、ボリビア大使館

協力

ペルー文化省、ボリビア文化観光省、NTTドコモ、クントゥル・ワシ調査団、国立民族学博物館、東京総合研究博物館、CBCラジオ、近畿日本鉄道

企画制作

国立科学博物館、TBSテレビ

観覧料

一般 高大生 小中生

1,300(1,100)円

900(700)円

500(300)円
  • ※( )内は前売りおよび20名以上の団体料金。
  • ※前売券は10月5日(金)まで、名古屋市博物館、主要プレイガイド、主なコンビニエンスストア、チケットぴあ(Pコード769-189)、ローソンチケット(Lコード41986)、イープラス、セブンイレブン、中日新聞販売店、中日文化センターなどで販売。
  • ※名古屋市交通局の一日乗車券・ドニチエコきっぷを利用してご来館の方は100円割引き。
  • ※身体等に障害のある方または難病患者の方は、手帳または受給者証のご提示により、本人と介護者2名まで当日料金の半額。
  • ※各種割引は重複してご利用いただくことはできません。ご了承ください。

特別前売券

一般入場券とオリジナルグッズがセットになったお得な【グッズ付き前売券】およびオフィシャル・ガイドブックがセットなった【予習セット】を販売!

【グッズ付き前売券】1,700円 オリジナルコスチュームキューピーと一般入場券
販売期間 2018年10月5日(金)まで(ローソンチケット限定)

  • *商品がなくなり次第、販売終了します。
  • *グッズは名古屋展会期中会場入口でお引き換えします。

【予習セット】 2,000円 オフィシャル・ガイドブックと一般入場券 
販売期間 2018年10月5日(金)まで
CBCラヴァースショップ・中日新聞販売店・名古屋市博物館ミュージアムショップにて販売

展示構成

序章 アンデスヘの人類到達 (紀元前13000 年~前3000年頃)

 アンデス原産であるトマトやトウガラシ、ジャガイモなどの作物は世界の料理を変えたと言われています。アンデスの特有の環境に、いつ、どのようにして人類は到達したのでしょうか?序章では、アンデスに人が定住するまでの長く、複雑な過程を最新科学から辿りつつ、アンデス地域のさまざまな環境を紹介します。

先端が尖った黒い石器の写真

≪パイハンの槍先型尖頭器≫
パイハン文化(紀元前1万1000~前7800年) ラルコ博物館所蔵

第1章 アンデスの神殿と宗教の始まり
先土器時代後期の文化[形成期早期](紀元前3000年頃~前1500年頃)

 ペルーの首都リマから北に200kmほど離れた場所にある、世界遺産「カラル遺跡」。砂漠地帯であるカラルでは定住生活が始まった痕跡が見つかっており、祭祀センターが造られた社会組織が存在していたといいます。カラル遺跡は、本当にアンデス文明の起源なのでしょうか?第1章では、アンデスでどのような神殿がいつ建造され、どのような宗教を持っていたのかを紹介します。

石積みで囲われた円形の広場の写真

カラル遺跡

焼かれていない粘土で作られた男性の土偶の写真

≪未焼成の小型男性人像≫
先土器時代後期 (前3000~前1500年頃)
ペルー文化省・カラル考古学地区コレクション所蔵

第2章 複雑な社会の始まり チャビン文化(紀元前1300年~前500年頃)

 古代アンデス文明は数々の石造りの壮大な建造物で知られています。石の文明の始まりはどの時代からであったのでしょうか。ペルー北部山岳地域のチャビン文化では、石彫の神像や頭像などが見られ、その片鱗をみることができます。また、この時代は地域ごとに独特な宗教観が芽生え、社会の統一が始まっていきました。第2章では、広範囲に影響を及ぼしたチャビン文化の宗教観や図像、そして社会構造を紹介します。

地下通路を持つ石造りの神殿の写真

チャビン・デ・ワンタル遺跡

石でできた頭の像の写真

≪テノンヘッド≫
チャビン文化 形成期後期(前900~前500年)
 ペルー文化省・国立チャビン博物館所蔵

自身の首を切る人物の形をした、鐙の注口をもつ土器

≪自身の首を切る人物の象形鐙型土器≫
クピスニケ文化 形成期中期(前1200~前800年)
 ペルー文化省・国立チャビン博物館所蔵

第3章 さまざまな地方文化の始まり 
モチェ文化(紀元後200年頃~後750/800年頃)
ナスカ文化(紀元前200年頃~後650年頃)

 アンデス文明では文字が発明されなかったため、土器の意匠が意思疎通のツールとなっていたと言われています。モチェ文化では、個性的な数多くの土器を通して、人々が共有していた「神々」「死者」「自然」「人間」の4つの世界観を紹介します。地上絵で知られているナスカ文化では 、社会構造が変化するほどの急激な環境変化を経験したことがわかっています。モチェ文化とナスカ文化、同時代の異なる地域でどのような文化が華ひらいたのかを探ります。

目と歯に象嵌細工の施された男性の顔の金属製マスクの写真
目に緑色の石と歯に貝殻をはめ込んだ男性の顔の金属製マスクの写真

≪象嵌のマスク≫
モチェ文化(紀元後200年頃~後750/800年頃)
ぺルー文化省・国立博物館所蔵

地上に描かれた巨大なサルの絵の写真

ナスカの地上絵 サル

マメなどを身に着けた人物が描かれたヒョウタン型のコップの写真

≪植物を身に着けた人間型神話的存在が描かれたヒョウタン容器≫
ナスカ文化(紀元前200年頃~後650年頃)
ペルー文化省・イカ地方博物館「アドルフォ・ベルムデス・ジェンキンス」所蔵

第4章  地域を超えた政治システムの始まり 
ティワナク文化(紀元後500年頃~後1100年頃)
ワリ文化(紀元後650年頃~後1000年頃)
シカン文化(紀元後800年頃~後1375年頃)

 「太陽の門」をはじめとするティワナク文化の高度な石造建築技術や、同じ高地で共存していたワリ文化の時代から築かれ始めたインカ道(道路網)。そして、現在のペルーのシンボルにもなっている黄金の装飾品を生み出したシカン文化の金属加工技術。アンデスの各地が生み出した政治、経済、文化の体系は後にアンデス最大にして最後の帝国となるインカ帝国に受け継がれていきました。第4章では、インカ帝国の基礎となった重要な文化を紹介します。

切り石で造られた門と石壁に囲われた広場および石製の人の像の写真

ティワナクの石の神殿

目や口などに緑の石をはめこんだ人面のついた金の冠の写真

≪カラササヤで出土した金の儀礼用装身具 金の王冠≫
ティワナク文化(紀元後500年頃~後1100年頃)
 先コロンブス期貴金属博物館所蔵

たくさんの四角模様が描かれた赤を基調とした布の写真

≪つづれ織りのチュニック≫
ワリ文化(紀元後650年頃~後1000年頃)
ペルー文化省・国立考古学人類学歴史学博物館所蔵

中央にシカン王の像が打ち出された円形の金の装飾品の写真

≪細かい細工がほどこされた金の装飾品≫
シカン文化(紀元後800年頃~後1375年頃)
ペルー文化省・国立ブリューニング考古学博物館所蔵

第5章  最後の帝国―チムー王国とインカ帝国 
チムー文化(紀元後1100年頃~後1470年頃)
インカ文化(15世紀前半~後1572年)

 文字を持たなかったアンデスの人々の思想や宗教観などの変遷は、長い年月をかけて発展してきた黄金や石像、土器、織物など、それぞれの文明の持つ特有のデザインを通して知ることができます 。第5章では、アンデス文明の最後を飾った、チムー王国とインカ帝国という二つの勢力の覇権争いを描きます。そして、アンデス地域に南北4000㎞にも及ぶ大帝国を築きながら、わずか168名のスペイン人の侵略によってあっけなく崩壊したインカ帝国の実像を紹介します。

山頂にある石造りの遺跡の写真

マチュピチュ

結び目を多数持つ放射状の紐の写真

≪インカ帝国のチャチャポヤス地方で使われたキープ≫
インカ文化(15世紀前半~1572年)
 ペルー文化省・ミイラ研究所・レイメバンバ博物館所蔵

木彫りの人形に貝殻や鉱物で装飾を施したコップの写真

≪人間をかたどった祭祀用の杯(容器)≫
チムー文化(紀元後1100年頃~後1470年頃)
 リマ美術館所蔵

第6章  身体から見たアンデス文明

 人の身体も文化の所産です。身体に描かれた様々な意匠には、その文化の持つ特質が表れています。古代アンデス文明には、旧大陸には見られないミイラの文化が育ちました。インカの王は死後ミイラとなり、家臣にかしずかれながら生活していました。にわかには理解できないこの風習も、その起源や発展の様子を眺めると、人間の本質が見えてきます。第6章では身体に表れた様々な加工の跡を概観し、アンデスの生老病死について考えます。

全身が大きな布で覆われ、ロープで縛られた少女のミイラと壺や櫛、織物の道具などの副葬品の写真

≪少女のミイラとその副葬品≫
チリバヤ文化 ペルー文化省・ミイラ研究所・チリバヤ博物館所蔵

頭の頂部に穴のあいた頭蓋骨の写真

≪開頭術の跡のある男性頭骨≫
チリバヤ文化 ペルー文化省・ミイラ研究所・チリバヤ博物館所蔵

関連イベント

※講演会などで、手話通訳・要約筆記などによるサポートをご希望の方は、当日の2週間前までにご相談ください。

記念講演会 聴講無料・先着220名

  • 場所:地下1階講堂(定員220名)
  • ※聴講には本展観覧券(観覧済半券も可)が必要です。
  • ※当日9時30分より聴講整理券を展覧会会場入口で先着順に配布します(観覧券1枚につき1枚限り)。

「古代アンデス文明 その誕生から滅亡まで」

講師:篠田謙一氏(本展監修者/国立科学博物館 副館長 兼 人類研究部長)

日時:10月13日(土)  13時30分~15時(13時開場)

「古代アンデスとはどんな文明だったのか?」

講師:渡部森哉氏(南山大学 人文学部教授)

日時:10月20日(土)  13時30分~15時(13時開場)

展示説明会 (2回・各回30分程度)聴講無料・先着100名

日時:10月14日(日)   13時30分~(13時開場)

11月3日(土・祝日) 13時30分~(13時開場)

会場:1階展示説明室(先着100名)

講師:当館学芸員

しあわせ“もふもふ”アルパカがやってくる!

10月27日(土) 10時~16時

場所:博物館 庭園

アルパカとふれあいながら一緒に写真が撮影できます。

① 10時~②11時30分~③13時30分~④15時~

参加費無料。各回30組。撮影用カメラをお持ちください。

  • ※各回の整理券を9時30分より展示会場入り口にて先着順で配布します。無くなり次第終了となりますのでご了承ください。
  • ※ふれあい撮影会の参加時に、人数分の本展観覧券または観覧済みの半券が必要です。
  • ※天候、動物の体調等により中止する場合があります。

【株式会社 青空 愛知県新城市一鍬田畠中44番1/展示/動東第407号/H27.2.9~H32.2.8/取扱責任者 竹内勝貴 】

ロビーコンサート「あの懐かしの中南米音楽をあなたに~ラテンリズムに心躍らせて~」

日時:11月4日(日曜) 1回目:13時30分から 2回目:15時から  それぞれ30分程度、同演目を予定。

会場:1階ロビー

料金:無料

演奏:Los Cincuentas (ロス シンクエンタス)

ロビーコンサート 「アンデスの風に乗って」

日時:11月10日(土) ①13時30分~②15時~ それぞれ30分程度、同演目を予定

会場:1階ロビー

料金:無料

演奏:グルーポ サヤ アンデス

協力:宗次ホール

アンデスクイズ&スタンプラリー

展示期間中、「アンデス文明の謎」に迫るクイズとスタンプラリーを実施します。 展示と合わせてお楽しみください。

日時:会期中全期間(10月6日から12月2日まで)

場所:名古屋市博物館1階 特別展・部門展示室展示会場内(入場には特別展観覧券の購入が必要です)

名古屋市博物館×宗次ホール提携企画

スイーツタイムコンサート 「遙かなるアンデスを想う」

アンデス文明を映像と音楽で楽しんでいただくコンサートです。

日時:10月25日(木) 13時30分~

会場:宗次ホール

演奏:グルーポ サヤ アンデス

お問合せ先:宗次ホール(052-265-1718)