特別展 レオナルド・ダ・ヴィンチと「アンギアーリの戦い」展~日本初公開「タヴォラ・ドーリア」の謎~
レオナルド×ミケランジェロ ルネサンスの二大巨匠 幻の競演
フィレンツェのヴェッキオ宮殿を飾っていたレオナルド・ダ・ヴィンチによる未完の大壁画「アンギアーリの戦い」。《タヴォラ・ドーリア(ドーリア家の板絵)》は、この壁画の中心部分を描いた16世紀前半の油彩画です。かつてはレオナルド自身による壁画制作のための準備作と見なされた、伝説的壁画の謎を解く重要な手がかりとなる作品です。本展では、日本初公開の《タヴォラ・ドーリア》を中心に、壁画の模写や派生作品、またレオナルドの多岐にわたる活動を紹介し、失われた壁画の謎に迫ります。さらにミケランジェロがレオナルドと同じ場所に構想した壁画の下絵の模写《カッシナの戦い》(日本初公開)を加え、ルネサンス二大巨匠による競演の実現を目指します。後世に絶大な影響を与えた天才ふたりの大壁画構想。美術史上に刻まれた一大スペクタクルを是非ご体感ください。
3月11日(日)は、マラソンフェスティバルナゴヤ・愛知2018開催のため、コース及び周辺道路で最長10時間、車両の通行が禁止されます。
このため、名古屋市博物館周辺道路でも午後1時ごろまで車両通行止めが実施されるほか、市内の広い範囲で交通規制に伴う相当の混雑・渋滞が予想されるなど、当日お車でのご来場が大変難しい状況となっております。
ご来場にはできるだけ公共交通機関のご利用をお勧めいたします。
会 期 | 2018年1月13日(土)~3月25日(日) |
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休 館 日 | 毎週月曜日(祝日の場合は翌平日)、第4火曜日 1/15[月]、1/22[月]、1/23[火]、1/29[月]、2/5[月]、2/13[火]、2/19[月]、2/26[月]、2/27[火]、3/5[月]、3/12[月]、3/19[月] |
開館時間 | 9時30分~17時(入場は16時30分まで) |
会 場 | 名古屋市博物館 1階 特別展示室・部門展示室 |
主 催 | 名古屋市博物館、中日新聞社 |
特別協力 | イタリア文化財・文化活動・観光省美術館総局、ウフィツィ美術館 |
後 援 | 外務省、文化庁、イタリア文化財・文化活動・観光省、イタリア大使館、 イタリア文化会館、フィレンツェ市、名古屋日伊協会 |
協 力 | NHKエデュケーショナル、アリタリア-イタリア航空、日本航空、 アルテリア、ヤマトロジスティクス |
企画協力 | 東京富士美術館 |
レオナルド・ダ・ヴィンチと「アンギアーリの戦い」展
名古屋会場オフィシャルサイト http://www.chunichi.co.jp/event/davinci/
一般 | 高大生 | 小中生 | 未就学児 |
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1,300(1,100)円 | 900(700)円 | 500(300)円 | 無料 |
*( )内は前売および20名以上の団体料金。
*お得な前売り券は1月12日(金)まで、名古屋市博物館、中日新聞販売店、主要プレイガイド、主なコンビニエンスストア、チケットぴあ(Pコード768-614)、ローソンチケット(Lコード45103)、セブンチケット(http://7ticket.jp)、イープラス(http://eplus.jp/)などで販売。
*名古屋市交通局の一日乗車券・ドニチエコきっぷを利用してご来館の方は当日料金より100円割引。
*身体等に障害のある方または難病患者の方は、手帳または受給者証のご提示により、本人と介護者2名まで当日料金の半額。
*各種割引は重複してご利用いただくことはできません。ご了承ください。
16世紀の初頭、メディチ家の追放、サヴォナローラの処刑を経て、フィレンツェ共和国の国家主席となったピエロ・ソデリーニ(1450-1522)。レオナルドとミケランジェロ、ルネサンスの二代巨匠に託されたシニョーリア宮殿大評議会広間(現パラッツォ・ヴェッキオ、五百人大広間)の壁画装飾は、政治機構の中心を彩る事業であり、新体制の威信をかけたものでした。両者に課せられた壁画の主題は、レオナルドが「アンギアーリの戦い」、ミケランジェロが「カッシナの戦い」。いずれもフィレンツェが勝利した歴史に刻まれる栄光の戦闘です。本章では、二大巨匠の壁画が計画された当時のフィレンツェ、また壁画の主題に選ばれた戦争を、関連人物の肖像画やメダルなどを通して紹介し、壁画計画の重要性に思いをめぐらせます。
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1-1 作者不詳(フィレンツェの画家)《シニョーリア広場での「敬意の祝祭」》 1600年頃 フィレンツェ、ウフィツィ美術館蔵 Gabinetto Fotografico delle Gallerie degli Uffizi 1-2 サンティ・ディ・ティート《ニッコロ・マキアヴェッリの肖像》 1570年頃 フィレンツェ、パラッツォ・ヴェッキオ博物館蔵(フィレンツェ美術館群から寄託)Gabinetto Fotografico delle Gallerie degli Uffizi
シニョーリア宮殿の装飾は共和国の威信をかけた事業でしたが、残念ながら壁画は未完成に終わり、現在ではその様子を想像するしかありません。本章では、レオナルドやミケランジェロの原案、構想をとどめる16世紀の貴重な板絵《タヴォラ・ドーリア(ドリーア家の板絵)》(ウフィツィ美術館蔵、東京富士美術館から寄贈)および《カッシナの戦い》(レスター伯爵コレクション)を中心に、後世の模写や版画作品などから、大壁画の構想、絵画表現上における工夫にせまります。
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2-1 作者不詳(レオナルド・ダ・ヴィンチに基づく)《タヴォラ・ドーリア》(「アンギアーリの戦い」の軍旗争奪場面) 16世紀前半 フィレンツェ、ウフィツィ美術館蔵(東京富士美術館より寄贈) Ex S.S.P.S.A.E e per il Polo Museale della citta di Firenze-Gabinetto Fotografico 2-2 アリストーティレ・ダ・サンガッロ《カッシナの戦い》(ミケランジェロの下絵による模写) 1542年 ホウカム・ホール、レスター伯爵コレクション By kind permission of Lord Leicester and the Trustees of Holkham Estate, Norfolk, UK
*《カッシナの戦い》は2月20日(火)より展示。2月18日(日)までは複製を展示します。
レオナルドは、「アンギアーリの戦い」の制作にたずさわるかたわら、複数の女性像の構想もあたためていました。《モナ・リザ》に代表されるレオナルドの魅惑的な美人画。血なまぐさい戦闘画とは正反対の優美なる世界におけるレオナルドの試みを、貴重な模写作品を通じて楽しんでいただきます。
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i-1 作者不詳(レオナルド・ダ・ヴィンチに基づく)《レダと白鳥》 1500-10年頃 フィレンツェ、ウフィツィ美術館蔵 Gabinetto Fotografico delle Gallerie degli Uffizi i-2 作者不詳(レオナルド・ダ・ヴィンチに基づく)《聖アンナと聖母子》 16世紀 フィレンツェ、ウフィツィ美術館蔵 Gabinetto Fotografico delle Gallerie degli Uffizi
これまでに実施されてきた失われた壁画「アンギアーリの戦い」に関する調査研究の状況や、《タヴォラ・ドーリア》に関する保存修復の措置、科学的調査の結果、研究者の声などを紹介します。さらに、《タヴォラ・ドーリア》の立体復元彫刻を加えることで、うねるような人馬の絡み合いを分かりやすく例示します。
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e-1 北郷悟(監修)、木本諒・井田大介・布山浩司・大石雪野・横川寛人・宮田将寛(制作)《タヴォラ・ドーリア》の立体復元彫刻 2015年 東京富士美術館蔵 ©Tokyo Fuji Art Museum
未完に終わったレオナルドの壁画「アンギアーリの戦い」は、16世紀半ばに失われるまでしばらく放置され、その間、多くの画家に影響を与えました。レオナルドが生み出した迫真的な戦闘表現は、それ以降の戦闘画の標準として継承されていきます。本章では、とりわけ17世紀のバロック作品を中心に、その影響の大きさをふり返っていきます。
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3-1 ピーテル・パウル・ルーベンスに帰属(レオナルド・ダ・ヴィンチに基づく)《アンギアーリの戦い》 17世紀初頭 ウィーン美術アカデミー絵画館蔵 Gemaldegalerie der Akademie der bildenden Kunste Wien
芸術、建築、科学、生物学、物理学、軍事技術など幅広い分野で功績を残した「万能の人」レオナルド・ダ・ヴィンチ。彼の構想に基づく再現模型などを含む、天才の頭脳を分かりやすく解説したコーナーです。アンギアーリ展会場内にて開催いたします。
はばたき飛行機 模型(パリ手稿Bに基づく)
栃木市蔵
手話通訳・要約筆記など特別なサポートを必要とする方は、記念講演会の場合は応募時に、展示説明会の場合は当日の2週間前までに博物館までご相談ください。
日時:1月13日(土)13時30分~15時(開場13時)
講師:五木田聡氏(本展監修、東京富士美術館 館長)
博物館講堂にて、定員220名、聴講無料
日時:2月11日(日)13時30分~15時(開場13時)
講師:越川倫明氏(本展学術監修、東京藝術大学 教授)
博物館講堂にて、定員220名、聴講無料
*事前応募の申込は往復はがき、または名古屋市電子申請サービスにて承ります。必ず希望する記念講演会の募集期限までにお申し込みください。応募者多数の場合は抽選となりますのでご了承ください。なお、取得した個人情報は、該当の記念講演会に関する応募者への連絡と、集計作業のためにのみ使用します。
https://www.e-shinsei.city.nagoya.jp>
ポータル画面から博物館の催事を検索のうえ、希望の記念講演会のページからご応募ください。
記念講演会1 平成29年12月15日(金)必着
記念講演会2 平成30年1月19日(金)必着
*記念講演会の聴講には本展チケット(観覧済み半券可)が必要です。
日時:1月27日(土)、28日(日) 13時30分から30分程度(開場13時)
講師:当館学芸員
博物館展示説明室にて、定員当日先着80名、聴講無料