展示

常設展テーマ10 近世尾張の文化

春江院の襖絵

令和4年6月29日(水曜)から8月21日(日曜)

 春江院(しゅんこういん)は、緑区大高町にある曹洞宗のお寺です。弘治2年(1556)、大高城主の水野正長が、父忠氏の菩提を弔うため、長源寺(東海市高横須賀町)4世の峰庵玄祝和尚を招き開いたものと伝わります。創建以降、大高地域の名刹として人々の信仰を集めました。現在、江戸後期から昭和期にかけて建立された諸堂が、国登録の有形文化財となっています。
 今回の展示では、本堂脇の書院(しょいん)を飾る襖絵から4面を展示いたします。春江院の書院は、明治期に移築されたもので、本来は絞り店として著名な有松の竹田庄九郎(たけだしょうくろう)邸にありました。襖絵は、幕末から近代にかけて活躍した狩野永秀(かのうえいしゅう)と喜田華堂(きだかどう)が手がけています。狩野永秀(1809年から1884年)は、中橋狩野家15代当主・狩野永悳(かのうえいとく)の弟子で、近代以降も狩野派の古老として活躍した人物です。喜田華堂(1802年から1879年)は、美濃に生まれ、京都の岸派に学んだ画家で、壮年以降名古屋城下で活動しました。いずれも尾張藩(名古屋藩)の御用を承ったと伝わる地域ゆかりのすぐれた絵師です。豪商の邸宅を華やかに、あるいは瀟洒にいろどった襖絵をお楽しみください。

 ※前期の6月29日から7月24日は、狩野永秀「芦鷺図襖絵」4面、後期の7月27日から8月21日は喜田華堂「波千鳥図襖絵」4面を展示いたします。

芦の生えた水際に5羽の白鷺が佇む。

狩野永秀「芦鷺図襖絵」4面 春江院蔵

※展示期間は6月29日から7月24日まで

波打ち際を水鳥が悠々と飛翔する。

喜田華堂「波千鳥図襖絵」4面 春江院蔵

※展示期間は7月27日から8月21日まで

幅6間の大きなお堂、向かって右脇には書院がつながる。

春江院本堂(本堂脇に書院がある)