展示

フリールーム

生誕200年 中林竹溪

  • 6月29日(水)~7月24日(日)

 今から200年前の文化13年(1816)、中林竹溪(なかばやしちっけい)は尾張出身の画家竹洞(ちくとう)の長男として誕生しました。京で文人画の大家として活躍した竹洞のあとを追い、竹溪も画家としての道を歩みます。竹溪は父の教えを守りながらも、文人画にとどまらず、復古大和絵風の歴史人物画や円山四条派風の幽霊画などなど、さまざまな分野の絵を手がけています。このことは、幕末における絵画の需要が多岐にわたり、竹溪がそれに応えるだけの技量を有していたということを示しているでしょう。

  竹溪といえば、放逸な性格を伝えるエピソードで知られています。尾張藩の重臣の来訪を裸で迎えたり、画友と画論を戦わせたあげく、京の二条河原で決闘をしようとしたり…。しかし諸派を貪欲に学んだ作品や下絵を見ると、日々、真摯に画技研鑽に勤しんだ姿が浮かび上がってきます。前述のエピソードも不器用なまでに画道を追い求めた結果の行動といえます。

 このたびは、生誕200年を記念して、バラエティに富んだ竹溪の作品を、下絵資料も交えながらご紹介します。

中林竹溪「琵琶湖真景図」館蔵

中林竹溪「琵琶湖真景図」館蔵

中林竹溪「岩戸神楽図」館蔵

 中林竹溪「岩戸神楽図」館蔵

中林竹溪「幽霊図」個人蔵

中林竹溪「幽霊図」個人蔵