展示

常設展テーマ10 近世尾張の文化

黒楽茶碗

 長次郎に始まる京都樂家歴代の作品と、その陶法を受け継いだ窯の作品やそこで焼かれた茶人の手造りによる作品を楽焼と呼びます。楽焼の多くは茶碗であり、楽茶碗は千利休が長次郎に自身の創意を反映した作品を作らせたことにはじまります。
 楽茶碗の特徴は、轆轤(ろくろ)を用いずに手捏ねで茶碗の原形をつくり、箆(へら)で形を削り上げる成形方法にあり、手捏ねだからこその味わい深さがあります。
 今回は楽茶碗の中でも、美しい黒色を呈した黒楽茶碗(くろらくちゃわん)を特集します。作者の個性あふれた茶碗を見比べながらお楽しみください。

黒い色の茶碗

樂宗入 黒楽茶碗 銘「鳫」 館蔵(東松コレクション)

黒い色の茶碗

重要文化財 本阿弥光悦 黒楽茶碗 銘「時雨」 館蔵(森川コレクション)