展示

常設展フリールーム

古墳時代の形いろいろ

令和4年6月29日(水曜)から8月21日(日曜)

 古墳時代は、中国大陸や朝鮮半島から多くの人が渡来し、弥生時代以来の伝統に加え、新しい文物や技術、思想が流入した時代でもありました。当時の人々はそれらをただ受け入れるだけでなく、独自の表現を加えました。その様子は、焼き物、鉄器、青銅器、石製品など様々な物に見られます。古墳時代の人々の多彩な造形と技術をお楽しみください。

埴 輪

 埴輪は、古墳の周囲や上に置かれた土製品で、筒形の円筒埴輪のほか、人物や動物、家、大刀など器財を表現した形象埴輪があります。円筒埴輪は、古墳を区画し、荘厳化しました。3世紀から6世紀まで最も普遍的に使用されました。また、4世紀ごろから出現した形象埴輪は、王のマツリの様子などを表現したものでした。当時の風俗や儀式の様子がわかるだけでなく、独特な表現から古墳時代の造形を楽しむことができます。

馬の形をした埴輪

馬形埴輪

焼き物

 古墳時代の焼き物は、はじめは弥生時代以来の技術をひく、野焼きで焼かれた土師器(はじき)がつくられました。さらに、5世紀になると朝鮮半島から窯で土器を焼く技術が伝わり、須恵器(すえき)の生産が始まりました。須恵器には渡来文化の影響を受けた、それまでの伝統にはない形が見られます。日常用器のほかに、マツリなどで使われる変わった形をした土器も多くつくられました。

台の上に七つの容器が組み合わさった焼き物

脚付七連蓋杯

石製品

 古墳時代には鉄器の普及に反比例して石の道具を使うことが減りました。その一方で、勾玉などの装飾品や様々なモノを模した石製品がつくられました。石材には、碧玉(へきぎょく)や滑石(かっせき)などが使われました。腕輪形石製品は、南海産の貝輪を模したものであり、遠い地域との交流を示すモノとしての認識があったのでしょうか。こうした石製品は、権威の象徴や時に祭祀の道具として古墳などで使用されました。

薄緑色の石でつくられた腕輪

車輪石

金属製品

 古墳時代には、農耕具や武器など実用的な道具には鉄器が多く使われました。時に大刀などの武器や馬具などは、権威の象徴としてきらびやかに見せるために、金銅や銀で飾られました(布、木、骨角などもありましたがあまり残っていません)。また、青銅器では、鏡と同様に鈴をつけた腕輪や馬具もつくられました。