展示

常設展テーマ10

お江戸ふぁっしょん通信

  • 平成26年3月26日~4月20日

お正月や夏の花火大会、習い事のお稽古、七五三、成人式、卒業式、結婚式―あらゆるシーンで私たちのくらしを彩る“きもの”。今でこそ少し特別な日におめかしして着ることが多くなり、きもの=伝統的=変わらないものというイメージがあるかもしれません。しかし現代のきものの原形が生まれた江戸時代には、日常まとう生活に根ざしたものであったため、その時々の人々の好みや流行が直に反映されました。そして250年以上にわたる時のうつりかわりの中で、実にさまざまな柄や着こなしが登場しました。江戸時代のきものには、現代とはひと味ちがった色の組み合わせやスタイルも見ることができます。また、武家や庶民などの身分や職業、年齢、季節、用途によっても生地や柄に違いがあり、現代人の想像以上にバリエーションに富んでいます。

今回の展示では、江戸時代の武家・公家・町人女性のきものや、彼女達の結い上げられた髪に華やぎを与えた髪飾り、装いに欠かせない手鏡や化粧道具、当時の人々の着こなしやヘアスタイル、化粧方法が分かる浮世絵などを展示し、当時のファッションをいろいろな側面からご紹介します。江戸時代というと、ともすると現代とはつながりのない遙か昔のこと、変化に乏しかった時代、という印象を持たれがちですが、実は現代の私たちがおしゃれを楽しむのと同じような感覚で、人々は日々のくらしの中に流行の装いを取り入れていたのです。その生き生きとした感覚に触れることで、いっそう江戸を身近に感じていただければと思います。

打掛写真

しろりんずじたてわきはなたばもよううちかけ
白綸子地立涌花束模様打掛