展示

常設展フリールーム

中林竹洞

  • 3月25日(水)~4月26日(日)

中林竹洞(なかばやしちくとう)は江戸時代の名古屋を代表する南画家です。京都で活躍し、画壇のトップに君臨しました。

中林竹洞は安永五年(一七七六)、桑名町(中区丸の内)の医師の家に生まれました。長男でしたが、医業は継がず、画家の道を選びました。師は、尾張における南画の先駆者である山田宮常です。南画とは、明・清時代の中国絵画の影響をうけて、江戸時代中期にうまれた絵画の流派です。竹洞は、中国絵画のコレクターであった富豪、神谷天遊の指導を受けて中国絵画を模写し、そのエッセンスを吸収しました。三十歳代半ばからは京都に移住し、すぐに京都画壇の主要作家として全国的な名声を得ました。嘉永六年(一八五三)京都で没。中国古典の様々な画家の画風を独自に解釈した、山水画の名手として知られています。また、芸術論に関する著作も多く、今日ではこの面での評価も高い人物です。

今回は、竹洞の代表的な絵画と著作にくわえ、近年の寄贈品を紹介します。そのなかでも、竹洞とその娘家族が使用した印章は、竹洞のご子孫宅に伝わってきた貴重な資料です。

中林竹洞家所用印については、4月発売予定の研究紀要38号で紹介します。

中林竹洞家所用印 館蔵(中林家伝来)

中林竹洞家所用印 館蔵(中林家伝来)

草花図屏風 館蔵(平松家伝来)

草花図屏風 館蔵(平松家伝来)