展示

テーマ10 近世尾張の文化

阪正臣(ばん・まさおみ)

会期:8月26日(水曜)から10月25日(日曜)

 阪正臣(号:茅田ぼうでん・樅屋もみのや1855~1931)は、名古屋出身の歌人・書家です。幼い頃より和歌や書に親しみ、神職や華族女学校の教員を勤めるかたわら才能を認められ、宮内庁内で和歌に関する事務を扱う部署、御歌所(おうたどころ)に入所します。以降、歌人として和歌の教育普及に携わりながら、書家としても活動しました。
 特に書家としての活躍は目覚ましく、軽やかで品格がある書風は一世を風靡しました。女子の書写教育にも力を注いでおり、教科書の執筆も数多く手掛けています。これらの活躍からやがて、明治天皇の子女に和歌や書を指南するようになり、ついには貞明皇后(大正天皇后)、香淳皇后(昭和天皇后)の書の指南役に任じられます。そして、大正8年(1919)には『明治天皇御集』の浄書を手掛け、当時の書家として最高の栄誉を得ました。
 また、自詠歌に絵を付したり、和歌関連の出版物の挿絵を手掛けるなど、絵をたしなむ一面もありました。
 今回は、館蔵および名古屋市蓬左文庫蔵の所蔵資料から、阪正臣の歌や書、絵にまつわる業績を紹介します。

*正臣の姓「ばん」は「坂」と表記される場合もありますが、本展示では「阪」に統一しています。

神官装束を身に着けた正臣の写真

「阪正臣肖像」(館蔵)

正臣の書作品の写真

「和歌大短冊『いはしみつ わきやま小田のをしねかり 清きこゝろの 里人そつく』」(館蔵)