狩猟・採集の時代
名古屋市博物館は、リニューアル改修に伴い令和5年10月1日(日曜)から令和8年度(予定)まで長期休館中です。こちらのページは休館前の常設展示室の様子になります。
問題
解答
食料を作りだす方法を知らなかった時代には、人々は、けものや魚を捕らえ、木ノ実や貝などを集める生活をしていた。日本列島では、このような狩猟・採集を基本とする生活が、稲作の技術が伝わる2,700年前まで続いた。この時代は、約12,000年前を境にして旧石器時代と縄文時代との二つの時代に区分されている。
日本列島が大陸と陸続きであった氷河時代に、今では絶滅したナウマンゾウ・オオツノジカなどの大型動物とともに人類が日本列島に渡ってきた。当時の人々は、石を打ち欠いて作った打製石器を使って、大型動物を集団で狩猟した。県内では、ナイフ形石器・尖頭器などの旧石器を出土する遺跡は、尾張東部の丘陵地帯・矢作川流域・豊川流域に多く分布している。
石槍
(いしやり)
氷河時代が終わって温暖な気候となり、クルミ・ドングリなど実のなる広葉樹が茂り、シカ・イノシシなどの動物が増えた。こうした自然を背景に土器と弓矢などを特徴とする縄文時代が始まった。土器によって煮炊きができるようになり、食用となる動植物の種類が多くなった。漁撈が普及するのもこの時代からである。また貝類がさかんに採集され、貝塚が形成された。
縄文土器
(じょうもんどき)
縄文時代には、土偶・石棒など実用品とは考えられない遺物がある。出土した状況・かたちなどから、呪術・信仰など縄文人の精神的な部分にかかわるものと思われるが、こうした遺物は中期以降数が増え、後・晩期になると急激に増加する。日々の生活が自然に大きく左右されることの多かった縄文時代には、呪術・信仰によって集団をまとめていく必要があったのだろうか。
土偶
(どぐう)