展示

過去の展覧会の紹介

この展覧会はすでに終了しています。会期は前年度以前の日付です。

名古屋開府400年記念特別展「変革のとき 桃山」

桃山 変革のとき

戦国の世を太平へと導いた3人の天下人、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康。彼らが活躍した数十年は、日本の社会が大きく変化をとげるターニングポイントでした。
折しも平成22年(2010)は、名古屋開府400年の記念の年にあたります。400年前の慶長15年(1610)、家康の命により天下普請で築城された名古屋城は、天下人によって醸成された桃山文化の、ひとつの帰着点と考えることができるでしょう。
本展では、尾張名古屋誕生の礎となった桃山時代に焦点をあて、激動の時代に生まれた「もの」たち―天下人の空間である城郭御殿、漆器や茶陶―が変貌をとげていく様相を、それらに多大な影響を与えた南蛮文化もあわせながら、国宝1件・重要文化財26件を含む173件の多彩な逸品でたどります。
先人がなしとげた時代の変革とそのエネルギーを、どうぞご堪能ください。

※おもに会期の前半と後半で大規模な展示替を行います。
前期:9月25日(土)~10月17日(日)
後期:10月19日(火)~11月7日(日)

※おもに会期の前半と後半で大規模な展示替を行います。
前期:9月25日(土)~10月17日(日)
後期:10月19日(火)~11月7日(日)

聚楽第図屏風 六曲一隻

聚楽第図屏風 六曲一隻
三井記念美術館蔵 桃山時代 全期間展示

会  期 平成22年(2010)9月25日(土)~11月7日(日)
開館時間 午前9時30分~午後5時(展示室への入場は午後4時30分まで)
休 館 日 9/27(月)・28(火)、10/4(月)・12(火)・18(月)・25(月)・26(火)、11/1(月)・8(月)

観覧料

一般 当日券1300円(団体券1100円)
高大生 当日券 900円(団体券 700円)
小中生 当日券 500円(団体券 300円)
  • ・()は前売・団体料金、団体は20名様以上です
  • ・一般前売のみ2,000円のダブルチケットを販売。1名2回または2名1回入場可
  • ・前売券は開会前日の9/24(金)まで販売。

前売券は主要プレイガイド、チケットぴあ(Pコード:986-891)、ローソンチケット(Lコード:40968)、サークルKサンクス、セブンイレブン、ファミリーマート、近鉄駅営業所、e+(イープラス)、JTB、JTBトラベランド、JTB総合提携店、中日新聞販売店ほかで発売。

身体等に障がいのある方で手帳をお持ちの方(介護者も2名まで)は当日料金の半額。手帳をご提示ください。
名古屋市交通局発行のユリカ(他機関発行のトランパス対応カードを含む)・一日乗車券・ドニチエコきっぷを利用してご来場の方は当日料金から100円割引(他の割引との併用はできません)。
※「桃山展」観覧券で常設展もご覧いただけます。

※お問い合わせ先
ハローダイヤル 050-5541-8600
展覧会公式ホームページもご覧ください
http://event.chunichi.co.jp/momoyama2010

展覧会の構成と見どころ

展示総件数 173件(うち国宝1件 重要文化財26件 重要美術品3件)

第1章 天下人の空間

現代の私たちになじみ深い天守、そして大広間を伴う御殿をそなえた城のすがたは、実はこの時代に生まれたものです。特に天下人の住まう城郭の御殿は、彼らの権威をアピールする場となりました。
天下人が考える政治的理想空間の変貌を、城郭御殿の変遷から紹介するとともに、社会の大きなうねりとなった技術集団組織の再編を、京都大工頭中井家の初代正清の台頭として紹介します。
この二つの要素を背景に、桃山時代には大規模な城郭が次々と生まれていくのです。ここでは城郭御殿の展開と、それらが歴史に及ぼした影響を紹介します。

1)天下布武 信長と安土城

信長の安土城は、私たちが現在イメージするような瓦葺き屋根の天守と石垣を持つ城の姿を決定づけたものです。しかし使用されている建築技術自体は、新規のものではなく、従来から寺院などに用いられてきたものでした。信長は、それらを巧みに組み合わせて独自の城を作り上げたといえます。信長の事績とともに安土城からみた彼の政治意識をさぐります。

重要文化財 織田信長画像 狩野元秀筆 一幅

重要文化財 織田信長画像 狩野元秀筆 一幅
長興寺(愛知県豊田市)蔵 天正11年(1583)寄進銘 写真提供:豊田市郷土資料館
9月25日(土)~10月11日(月)展示

2)天下人 秀吉と大坂城・聚楽第・伏見城

秀吉がまず拠点とした大坂城は、天守内部が各地の大名らに公開されたこと、御殿を表と奧に分離したことが特筆されます。
さらに秀吉は、聚楽第(じゅらくだい)において秀吉自身との対面の場となる「広間」をしつらえるとともに、天皇行幸をはじめ大規模な儀礼を行うことで自らの権威を高めました。
そして配下の大名等も自らの新たな城づくりに奔走するのです。まさに築城ラッシュの様相を呈した秀吉の時代を紹介します。

醍醐花見図屏風 六曲一隻

重要文化財 醍醐花見図屏風 六曲一隻
国立歴史民俗博物館蔵 桃山時代
後期:10月19日(火)~11月7日(日)展示

3)天下泰平 家康の政治空間と立役者・中井家

関ヶ原合戦以後、家康は江戸幕府を開くと将軍職を秀忠に譲り、「徳川家」が支配する幕藩体制づくりに力を注ぎます。名古屋城(慶長15 年築城開始)、そして二条城(慶長9 年築、寛永3 年改築)は、書院造の御殿内に、幕府儀礼を演出する場を確立させたことにより、近世城郭の完成形と位置づけられます。
そして、この時代に台頭した幕府京都御大工頭・中井家は「桃山が生んだゼネコン」ともいえるでしょう。名古屋城・二条城といった天下人の空間と、その実現を支えた存在である中井家を紹介します。

二条城二の丸御殿大広間三の間障壁画 松に孔雀図 四

重要文化財 二条城二の丸御殿大広間三の間障壁画 松に孔雀図 四面
元離宮二条城事務所蔵 江戸時代初期 全期間展示

第2章 南蛮の刺激

日本では、東南アジアを経由して渡来する西洋文化を指す言葉として「南蛮」の語が使用され、桃山時代から江戸時代初めに流行したポルトガルやスペインの文化を総称して「南蛮文化」と呼びました。
鉄砲伝来とキリスト教に象徴される南蛮文化の到来がなければ、今日私たちが目にする桃山文化は生まれなかったでしょう。16世紀後半、日本に上陸した宣教師たちがもたらす異国の文物や情報は、天下人だけでなく市井の人々までを大いに刺激したのです。
しかしそれらを一方的に取り入れるだけでなく、日本の情報や文物も、商人や宣教師等によって広く海外へもたらされました。ここでは南蛮文化が日本に与えた影響を紹介します。

1)南蛮趣味

天文12 年(1543)、種子島にポルトガル船が漂着、天文18 年(1549)には宣教師フランシスコ・ザビエルが鹿児島に上陸。異国文化の渡来により、いわゆる「南蛮趣味」が大流行しました。
直接南蛮文化そのものを愛好するとともに、これまでの日本にはなかった異国の文物-南蛮人をはじめ鉄砲、カルタや洋犬―をモティーフにした図柄が絵画や工芸品に描かれることが流行しました。
こうした新しい文化の流入は、日本の美意識が中世から近世へ大きく移行するための効果的な外圧となったのです。

南蛮屏風 六曲一双(右隻)

重要文化財 南蛮屏風 六曲一双(右隻)
サントリー美術館蔵 桃山~江戸時代初期
後期:10月19日(火)~11月7日(日)展示

2)輸出漆器

相次いで日本に渡来した西洋人たちが自国に持ち帰った日本の漆器が評判となり、日本の蒔絵製品は交易品として海外に輸出されることとなりました。
キリスト教の祭壇を飾った聖龕(せいがん)や聖餅箱などの宗教用具を、日本の伝統的な蒔絵や螺鈿の技術で装飾したものが数多く輸出されたのです。
禁教令が出てからも、宗教に直接関連のない生活用具は大量に作られ、輸出されていきました。こうした輸出漆器には、大量生産が可能な平蒔絵が求められたのです。

花鳥蒔絵螺鈿聖龕 一基

花鳥蒔絵螺鈿聖龕 一基
九州国立博物館蔵 桃山時代 全期間展示

第3章 変貌する桃山のわざ

信長・秀吉・家康の三人が生きたわずか数十年で、時代は大きく変貌をとげました。特にその中のいくつかを自ら手にしたであろう彼らの手回りの道具たちは、技術革新と時代の要請を敏感に受け入れ、その様相を変えていきました。少しずつ、しかし確実にものづくりの「変化」は行われていったのです。

1)工芸の変貌-蒔絵

中世の高蒔絵があらゆる技法を尽くし、極めて技巧的で複雑なものであったのに対し、桃山時代に流行したのは、高台寺蒔絵と呼ばれる非常に簡便でわかりやすい平蒔絵を中心とした技法です。図柄は一転してわかりやすく、モティーフをいかに美しく配置するかが重視されるようになりました。
室町時代の高雅な高蒔絵、桃山時代の生命力に満ちた平蒔絵、そして室町時代とは異なる様相を見せる江戸時代初期の高蒔絵を施した作品を提示することで、この時期、蒔絵の世界に起きた変貌を紹介します。

竹秋草蒔絵文庫 一合

重要文化財 竹秋草蒔絵文庫 一合
高台寺蔵 桃山時代
前期:9月25日(土)~10月17日(日)展示

2)工芸の変貌-やきもの

中世の高蒔絵があらゆる技法を尽くし、極めて技巧的で複雑なものであったのに対し、桃山時代に流行したのは、高台寺蒔絵と呼ばれる非常に簡便でわかりやすい平蒔絵を中心とした技法です。図柄は一転してわかりやすく、モティーフをいかに美しく配置するかが重視されるようになりました。
室町時代の高雅な高蒔絵、桃山時代の生命力に満ちた平蒔絵、そして室町時代とは異なる様相を見せる江戸時代初期の高蒔絵を施した作品を提示することで、この時期、蒔絵の世界に起きた変貌を紹介します。

黒楽茶碗 銘「雨雲」

重要文化財 黒楽茶碗 銘「雨雲」 本阿弥光悦作
三井記念美術館蔵 江戸時代前期 全期間展示

関連事業

■記念講演会 会場:当館講堂(定員220名・当日先着順・聴講無料)

  • ・9月25日(土) 14:00開講 (開場13:30)
    演題:「城からみる桃山という時代」
    講師:千田嘉博氏(奈良大学教授)
  • ・10月3日(日) 14:00開講 (開場13:30)
    演題:「新出の聚楽第図屏風について」
    講師:狩野博幸氏(同志社大学教授)
  • ・10月9日(土) 14:00開講 (開場13:30)
    演題:「ちゃわん 長次郎から光悦へ」
    講師:赤沼多佳氏(三井記念美術館参事)

■展示説明会 会場:当館講堂(定員220名・当日先着順・聴講無料)

  • ・10月2日(土) 14:00開講 (開場13:30)
    演題:「変貌する蒔絵―黒と金のデザイン」
    講師:当館学芸員 小川幹生
  • ・10月16日(土) 14:00開講 (開場13:30)
    演題:「御殿-天下人の政治空間」
    講師:当館学芸員 岡村弘子
  • ・10月24日(日) 14:00開演 (開場13:30)
    演題:「桃山追憶―洛中洛外図屏風を読み解く」
    講師:当館学芸員 津田卓子

■蒔絵教室「金箔はりにチャレンジ」
高台寺蒔絵などに使用されている、蒔絵技法―金箔はり-を実際に体験していただきます。なおこの事業は、財団法人名古屋瑞龍工芸技術保存振興会の協力のもと、若手の仏具職人を中心とする名古屋仏具研究会に指導を仰ぎ、同時に蒔絵の実演も行ってもらいます。

  • ・10月23日(土)  会場:展示説明室(募集定員各回30名・要事前申込・有料)
    開催時間 (1):10:00~ (2):14:00~
    参加料300円 小学3年生以下は保護者同伴

▼申込方法はこちらをご覧下さい

主催・後援・特別協賛・協賛・協力

【主  催】 名古屋市博物館・中日新聞社
【後  援】 愛知・岐阜・三重各県教育委員会、名古屋開府400年記念事業実行委員会
【連携協力】 生物多様性条約第10回締約国会議支援実行委員会
【特別協賛】 東海東京証券株式会社
【協  賛】 トヨタ自動車株式会社、日本通運株式会社、ミッドランド スクエア
【協  力】 JR東海、名古屋鉄道、近畿日本鉄道、名古屋市交通局、
財団法人名古屋瑞龍工芸技術保存振興会

名古屋開府400年記念 ミュージアムトライアングルin NAGOYA

○開府400年記念 名古屋城特別展「武家と玄関 虎の美術」
会場:名古屋城 天守閣2階展示室
会期:2010年9月25日(土)~11月7日(日)
○名古屋開府400年 徳川美術館・蓬左文庫開館75周年記念
秋季特別展「尾張徳川家の名宝-里帰りの名品を含めて-」
会場:徳川美術館・蓬左文庫
会期:2010年10月2日(土)~11月7日(日)

※武家と玄関 虎の美術展(名古屋城)、尾張徳川家の名宝展(徳川美術館)、桃山展(名古屋市博物館)の3つの展覧会について、いずれかの入場券をそれぞれの会場券売所で提示いただきますと、団体料金でご入場できます。(各展覧会会期中のみ有効、1葉1名限り、他の割引券との併用不可)

※お問い合わせ先
ハローダイヤル 050-5541-8600
展覧会公式ホームページもご覧ください
http://event.chunichi.co.jp/momoyama2010/