展示

常設展テーマ16 まつり

設楽(したら)のしかうち行事

令和5年4月26日(水曜)から6月25日(日曜)

 しかうち行事は、スギの枝葉やワラ、竹の棒を用いたシカやイノシシの作りものを弓矢で射る神事(模造獣弓射神事)として三遠南信地方や九州に分布し、愛知県では陰暦正月から春先にかけて奥三河(北設楽郡東栄町・新城市)の山間部でおこなわれています。奥三河では害獣駆除や豊猟を祈願する狩猟儀礼や豊穣を予祝する農耕儀礼、さらに氏子入りや成人といった人の一生をめぐる儀礼も組み込まれた年中行事として伝承されてきました。東栄町域のしかうち行事では、その地区の花祭でみられる芸能(舞)も奉納されていることから、様々な要素が付与されて複合的に形成されてきたと考えられています。
 奥三河のしかうち行事は民俗学的に検討すべき行事であるとして、北設楽郡東栄町4地区(月・布川・小林・古戸)と旧南設楽郡鳳来町(現新城市)能登瀬地区について1983年(昭和58)に「設楽のしかうち行事」として愛知県の無形民俗文化財に指定されました。

ワラと竹の棒で作ったシカ

作りもののシカ(東栄町小林地区)

木の枝で作ったシカ

作りもののシカ(東栄町布川地区)

作りもののシカに矢を射る

東栄町月地区のしかうち行事

作りもののシカに矢を射る

東栄町古戸地区のしかうち行事