コレクション

とりがたちゅうふたつき きゃくつきたんけいこ
鳥形鈕蓋付脚付短頸壺・・・愛らしい鳥をデザインしたうつわ

 蓋の頂きに留まる鳥が愛らしい古墳時代の須恵器の逸品。
 三段四方向に孔をあけた脚を付けた短頸壷と、鳥形の鈕をつけた蓋からなる。
 鳥形の装飾は、くちばしが平らで眼が大きく表現されていることが特徴的である。羽は明確には表現されず、胴部には背中と左右側面のそれぞれに三つの穴をあけている。  全体的な表現は簡略化されており鳥の種別まで推定することは困難であるが、くちばしの形状から判断すると水鳥を表現しているのかもしれない。
 ちなみに、鳥の胴部は空洞となっており現在土粒が入っているため振ると「からから」と音がするが、これが製作時に意図されたものかどうかはわからない。
 脚付短頸壺は、形状から6世紀末から7世紀前半頃のものと考えられる。この種の須恵器は古墳から出土することが多いため、この須恵器も古墳などでの祭祀に使用された可能性が高い。
 昭和2年ごろに瑞穂区師長町で出土とされるが、詳細は不明である。

※本資料は常設展テーマ3「古墳とその時代」に展示しております。