特別展リトアニア バルトの森に響く歌 音声読み上げ用テキストページ

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展覧会概要

バルト海沿岸に位置するリトアニア共和国は、名古屋で育った外交官、杉原ちうねが、ユダヤ難民に「命のビザ」を発給した地です。その縁に導かれて、当館は昨年8月、リトアニア国立博物館と友好館協定を結びました。本展では、同かんの全面的な協力のもと、色彩豊かな民族衣装や、神秘的な意匠の工芸ひんなどを通して、同国の歴史と文化を紹介します。自然を慈しみ、歌を愛する人びとの、豊かな文化に触れてみませんか。展覧会概要おわり。

プロローグ 森と歌の大地

リトアニアの首都ヴィリニュスは、世界遺産に登録された歴史ある美しい街並みのすぐ近くに、鳥たちのさえずる豊かな森を有しています。4年に一度開かれる「歌と踊りの祭典」では、広大な森に囲まれた郊外の公園にリトアニア中の合唱団が集まり、美しい歌声が響き渡ります。「歌と踊りの祭典」の映像と、リトアニアの風景を写した写真を通して、豊かな森と奥深い歴史の痕跡、それらとともにある人びとの営みを、まずは少しだけ覗いてみましょう。プロローグ解説おわり。

第1章 森とともに暮らす

リトアニアの人びとの暮らしは、古くから森の恵みとともにあり、自然への敬意は時代を超えて受け継がれてきました。ヨーロッパでもっとも遅くキリスト教を受け入れたリトアニアには、カトリック信仰が定着した後も、自然崇拝の風習が色濃く残りました。この章では、自然のモチーフや素材に着目しながら、遺跡からの出土品、生活道具やおもちゃ、ほこらに祀られた聖像などを通して、森とともにある人びとの暮らしを探ります。第1章解説おわり。

二次元コード読み上げ資料1 琥珀玉の首飾り

5から6世紀
リトアニア国立博物館ぞう
5から6世紀に広まった琥珀のネックレスは、単なる装飾品ではなく、社会的な地位を示す指標でもありました。胸元を覆う豪華なネックレスは、女性の地位の高さの象徴でした。琥珀は太陽や生命力と結びつき、魔除けや象徴的な意味合いを持っていました。資料1解説おわり。

二次元コード読み上げ資料2 タオル掛け

1938年
リトアニア国立博物館ぞう
タオル掛けは最も芸術性の高い木工ひんの一つであり、人びとは植物、花、鳥など自然の美しさを題材に装飾を施しました。家の主室の壁、とくに食卓に近い目立つ場所に掛けられ、装飾的な役割も果たし、家の中に明るさや神聖な雰囲気を醸し出しました。資料2解説おわり。

二次元コード読み上げ資料3 糸巻き棒

1861年
リトアニア国立博物館ぞう
糸を紡ぐ際に羊毛、亜麻、麻の束を固定するために使用されます。頭部はオークの葉に似た形をしており、三つの星形が縦一列に刻まれています。太陽、光、生命を象徴する古い文様です。糸巻き棒にはこのような文様が施された例が非常に多く見られます。資料3解説おわり。

第2章 歌い、踊り、祝う

リトアニアのお祝いごとには、歌声と楽器の音色、それにあわせた踊り、そして色鮮やかな民族衣装が欠かせません。そして民族衣装や楽器のデザインのなかにも、自然のモチーフが数多く取り入れられています。この章では、「歌と踊りの祭典」をはじめとするリトアニアの祝祭や、自然崇拝とキリスト教信仰が結びついた独特の年中行事を、そこで用いられる楽器や民族衣装をとおして紹介します。第2章解説おわり。

二次元コード読み上げ資料4 カンクレス

19世紀後期
リトアニア国立博物館ぞう
カンクレスはリトアニアの伝統的な弦楽器です。本品は、リトアニア北東部のアウクシュタイティヤ地方のもので、リトアニア国立博物館所蔵品のなかでも最も古い形態です。トウヒ材で作られ、彫刻がほどこされた胴体は、前面が高く幅広くなっています。資料4解説おわり。

二次元コード読み上げ資料5 飾りおび

2024年
リトアニア国立博物館ぞう
「歌と踊りの祭典」100周年(1924年から2024年)を記念し、国立博物館が所蔵する伝統的な飾りおびのデザインをベースにして作られた記念おびです。祭典のモットー「森よ、緑であれ」を体現しています。参加者によるパレードの際に厳かに掲げられました。資料5解説おわり。

二次元コード読み上げ資料6 ズーキヤ地方の女性の晴れ着

げん資料:19世紀
リトアニア国立博物館ぞう
国立博物館の収蔵品を忠実に再現し、一式に仕立てた復元衣装です。同かんの民族学、人類学部門織物修復工房にて制作されました。リトアニア南東部に位置するズーキヤ地方の伝統的な晴れ着は、控えめな気品、対照的な色の組み合わせ、そして繊細な模様を特徴とします。資料6解説おわり。

第3章 自由のための戦い

リトアニアの歴史は、大国のはざまで自由と独立を求める厳しい戦いの連続でした。中世のリトアニア大公国とドイツ騎士団の戦い。18世紀末にはじまるロシア帝国による支配と、それに対する抵抗運動。そして20世紀のソ連による占領と、1990年の独立回復。波乱にとんだ複雑な歴史のなかで、自由と民主主義を重んじるリトアニアの人びとの価値観が、どのように育まれてきたのか考えてみましょう。第3章解説おわり。

二次元コード読み上げ資料7 戦士の集合墓からの出土品

13世紀
リトアニア国立博物館ぞう
どこうぼに3人の戦士が埋葬され、角杯、武器、宝飾品、馬具などの副葬品が出土しました。13から14世紀の異教リトアニアにおける埋葬文化の特徴がみられます。十字軍に勝利した、1260年のドゥルベの戦いの戦死者が眠っている可能性も指摘されています。資料7解説おわり。

二次元コード読み上げ資料8 羽根付き兜

17から18世紀
リトアニア国立博物館ぞう
ポーランド=リトアニア共和国の重装騎兵隊フサリアが使用していた種類の兜です。フサリアの兜にはいくつかの型がありますが、本品に見られる透かし彫りの翼は、軍事的な機能と儀式的な装飾性を兼ね備え、特に目を引く装飾的な外観を呈しています。資料8解説おわり。

二次元コード読み上げ資料9 ポールに掲げられた政治風刺画

20世紀
リトアニア国立博物館ぞう
ソ連からの独立運動当時、アメリカ大統領ジョージ ブッシュとソ連最高指導者ミハイル ゴルバチョフに、「目を覚ませ、ジョージ」「目を覚ませ、ゴルビ」と呼び掛けたプラカードです。ソ連の暴力に対する反応と、リトアニアの主張の承認を、世界に訴えています。資料9解説おわり。

エピローグ リトアニアの今と未来

1990年の独立回復以後、リトアニアには民主政治が定着し、経済は大きく発展しました。本展の最後に、そんなリトアニアの今のすがたを、いくつかのトピックを通して紹介します。森の恵みを生かした食文化、国民的スポーツであるバスケットボール、レーザーなどの先端技術、歴史と文化を次世代へつなぐ試み、そして杉原ちうねの記憶と日本との絆。複雑な歴史を経てたどりついたリトアニアの今の姿は、どんな未来を照らし出すでしょうか?エピローグ解説おわり。