カンボジアは、東南アジアのインドシナ半島のほぼ中央に位置し、ベトナム・ラオス・タイの3国と隣接します。 インドシナ半島を代表する大河・メコン川が、国土を南北に縦断しています。国土の面積は181,035km²で、日本の半分ほどの広さです。
アンコール王朝の時代は、カンボジア内陸部のアンコール周辺に都城が置かれて政治・文化の中心として栄え、802年~1432年の約600年間続きました。 そのアンコール王朝こそがカンボジアの歴史そのものと言っても過言ではないくらい、歴史的な重要性をもっています。
アンコール遺跡群は、現在では世界遺産に登録され、また年間約280万人にのぼるカンボジア観光客がほとんどといっていいほど訪れる、国際的に人気の観光地でもあります。 1860年にフランス人探検家アンリ・ムオがアンコールを「発見」した後、20世紀からはフランス極東学院によってアンコールの整備・修復と研究がおこなわれてきました。
特別展『アンコール・ワットへのみち』の準備のため、2014年12月にカンボジアへ現地調査に行きました。中国を専門のフィールドとする私にとって、一度ベトナムに見学旅行に行ったのを除けば、東南アジアは未知の地域でした。