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フリールーム
松坂屋コレクションの小袖・裂(きれ)・美術工芸品
平成23年3月29日(火)~平成23年5月29日(日)
テーマ10 小袖 江戸時代の変遷をたどる
フリールーム 裂 集められた多彩なデザイン
3月5日(土)より、常設展話題のコーナーとして、テーマ8・テーマ9において「松坂屋コレクションの小袖・裂(きれ)・美術工芸品」を開催していますが、3月29日(火)より展示スペースをさらに拡大し、テーマ10およびフリールームで同コレクションのさまざまな優品をご紹介いたします。
テーマ10 小袖 江戸時代の変遷をたどる
フリールーム 裂 集められた多彩なデザイン
3月5日(土)より、常設展話題のコーナーとして、テーマ8・テーマ9において「松坂屋コレクションの小袖・裂(きれ)・美術工芸品」を開催していますが、3月29日(火)より展示スペースをさらに拡大し、テーマ10およびフリールームで同コレクションのさまざまな優品をご紹介いたします。
■ テーマ10 小袖 江戸時代の変遷をたどる
テーマ10(近世尾張の文化)では、松坂屋コレクションの染織資料の中から、江戸時代の小袖を展示します。「小袖」とは文字通り、手首を通す袖口が小さな着物のことを指します。普段私たちが目にする現代のきものも、袂(たもと)はふっくらと大きく作られていますが、袖口は小さく縫い合わされており、小袖の一種と言えます。
これに対して、十二単(じゅうにひとえ:唐衣裳装束)のように、平安時代の貴族が身につけていた袖口のゆったりと開いた衣裳を「大袖」と呼びます。
平安時代まで庶民の日常着や下着として使われていた小袖ですが、時代とともに次第に表着として用いられるようになり、江戸時代に大きく発展します。
登場したときから一見変わらないように見える小袖ですが、実は形や意匠、染色技法の面で少しずつ変化を重ねています。
たとえば江戸時代前期の小袖は、刺繍や絞り染めによって模様が表現されました。そして、背面をあたかも一枚のキャンバスのように見立て、右半身を中心に図柄を広げるデザインが流行します。
それが江戸時代中期には、それまで細かった帯の幅が広くなり、現代の帯幅に近くなります。これによって、前期には背面上部と下部で連続していた図柄が、上下で分かれるタイプの小袖が誕生しました。
また写真のように、鶴と鴛鴦(おしどり)など、めでたいモチーフを使った豪華な「夜着(よぎ)」と呼ばれる寝具用の大型の小袖も登場します。
江戸時代後期には、江戸を中心とする「粋(いき)」の美意識の流行や倹約令の影響で、落ち着いた色合いや控えめな装飾が好まれました。
さらに、裾を引く着方となったため、丈が長くスリムな形になりました。このように、江戸時代を通じて小袖は変化を続け、現代の着物へと近づいていきました。
今回テーマ10では、松坂屋コレクションの中から、こうした江戸時代各期の特徴が見られる小袖5点を選んで展示します。ぜひ江戸時代の小袖の変遷をたどり、現代の着物の源流に触れてください。
■ フリールーム 裂 集められた多彩なデザイン
すでにご紹介したとおり、松坂屋コレクションはさまざまな資料で成り立っていますが、「裂(きれ)」の状態で集められた染織資料が大部分を占めています。その内容は国内外や時代を問わず、じつに多彩です。日本の裂としては、鎌倉時代から江戸時代までの小袖・能装束など、外国の裂としては、中国・インドやエジプト(コプト裂)など、多くの国々から収集されています。
このように世界各地で集められたコレクションからは、「各時代の衣裳を収集してデザインを向上させ優秀な呉服を作ろう」という、松坂屋の原点である呉服屋としての熱意が感じられます。
こうした観点から、フリールームでは松坂屋コレクションの中核をなす「裂」について、その概要をご紹介します。
小袖裂では、桃山時代に流行した金箔と刺繍を併用する「繍箔(ぬいはく)」技法を用いている資料(写真参照)など、各時代に流行したデザインや技法がわかるものをご紹介します。
そのほか、海外から日本に入って人気が出た更紗(さらさ)や名物裂、さまざまな国の雰囲気が感じられる外国裂の数々を展示します。また、展示時期に合わせ、ウグイスやタンポポなど春を感じていただけるデザインも集めました。
今では着物を着る機会が減ってしまいましたが、そのデザインは和雑貨などに形を変えながら、広く親しまれています。今回の展示をご覧になって、自分の持ち物と同じようなデザインを探してみるのもおもしろいのではないでしょうか。
黒綸子地扇散(くろりんずじ おうぎちらし)摸様小袖裂 桃山時代