道直さんをお祝いする。
野口道直六十宴之図?賛
野口道直の還暦祝いを描いたもの。
梅居山人還暦寄書
道直の還暦を祝って、交友関係のある人物たちが制作した寄り合い書き。
野口道直(梅居)(1785~1865)といえば、枇杷島で青物問屋を営むかたわら、蔵書家として名を馳(は)せ、深田精一、岡田啓(文園)、小田切忠近(春江)らと力を合わせて『尾張名所図会』の編纂に携わった人物として知られています。
天保15年(1844)9月、道直が還暦(60歳)を迎える時同じくして、悲願でもあった『尾張名所図会』前編が完成しました。この二つのおめでたいことを祝おうと自ら企画した宴では、共に『尾張名所図会』を作り上げた仲間たちが寄せ書きを作ったり、道直のお宝を披露する茶会を開催したりと行事が目白押し。道直にとって忘れられない1日となったことでしょう。
今回は当館に残る宴の様子を伝える資料を中心に、江戸時代の文化人の交流の様子を紹介します。