展示

フリールーム

張月樵―名古屋の人気絵師

  • 3月1日(水)~3月26日(日)
           

 月樵ほどの画かきは余り類がないのであるのに、世の中の人に知られないのは極めて不幸な人である。又世の中に画を見る人が少いのにも驚く。(正岡子規『病牀六尺』)

 病床の正岡子規が高く評価した画家・張月樵(ちょうげっしょう、1764-1832)は、江戸時代後期、名古屋城下で人気を博した人物です。近江彦根城下に生まれ、京都に出て呉春(ごしゅん、1752-1811)に師事。やがて活動の拠点を名古屋に移しました。円山応挙(まるやまおうきょ、1733-95)が生み出した写実的な画風を、いち早く当地に伝えた画家として評価できる人物です。応挙の画風を継承しつつ、誇張した表現をまじえ、独自の世界を作り上げました。その画風は、「奇想」の画家として人気を集める長澤蘆雪(ながさわろせつ、1754-99)を髣髴とさせます。確かな技術と豊かな創意は、子規が『病牀六尺』で度々言及するとおり、当地の画家の中では特筆に値すると言えるでしょう。

 今回のテーマ10の展示では、花鳥画や山水画、美人画、そして俳書の挿絵まで、多様なジャンル、多様なメディアの作品を展示することで、人気絵師の引き出しの多さを紹介したいと思います。緻密でアクの強い、月樵画の魅力をご堪能ください。

      

張月樵「関羽張飛図」館蔵

張月樵「上方美人図屏風」(部分)館蔵

張月樵「紅梅双鶴図」館蔵

 張月樵「関羽張飛図」館蔵

張月樵「上方美人図屏風」(部分)館蔵

 張月樵「紅梅双鶴図」館蔵